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IBM、開発中ディベートAI対人間の討論を公開

公開された討論の様子。議題は「宇宙探索に助成するべきか?」

 米IBMは18日(現地時間)、開発中のディベートAI「Project Debater」と人間による公開討論を行なった。同AIは討議の内容を理解した上で入力済みの文献に基づいた主張をし、聴衆を説得するという人間の意思決定プロセスに沿うべく開発されている。

 将来的に、AIがビジネスなどの複雑な入力をもつ課題について人間の意思決定を補助する存在になるとして、IBMは開発によって得られた技術の商用化を目指している。

 「Project Debater」は音声認識によって討論相手のスピーチから内容を把握することが可能で、その内容について入力済みのデータから反論を行なうことができる。また、ディベートで頻用されるイディオムや比喩についても学習しており、現時点では最大4分のスピーチに対応する。

 ボイスアシスタントAIなどと異なるのは、会話中の単語などから特定のタスクを推測すれば要が足りるボイスアシスタントに対し、議論の要旨を把握しつつ、データに基づいた論理的な反論を生み出す必要がある点だ。

 さらに特徴的なのは、「Project Debater」は1つの議題に対し、賛成または反対の逆の立場についても主張や反論を同様に行なえるという点だ。

 公開討論では、意味のある議論とするためにあらかじめ有効な議論ができるように確認された議題について議論したが、あくまでも主張の内容は同AIが生成したものであり、今後は未知の議題にも対応するべく開発が進められるとのことだ。