やじうまPC Watch

個人が自作したサイズ10×2m、重量500kgの超巨大16bitプロセッサ

James Newman氏による解説。5:50からテトリスをプレイしている様子が見られる

 YouTubeにディスクリートトランジスタを組み合わせて作った巨大な16bitプロセッサの動画が公開されている。サイズは全長10mの全高2m。重量500kgで、使用した素子の数はトランジスタが4万個、LEDが1万個にも及ぶ。動画では、テトリスをプレイする様子も写されている。

 この巨大な自作16bitプロセッサ「The Megaprocessor」は英国のJames Newman氏によるもの。同氏が趣味で2014年から2年間かけて作り上げ、現在英国の博物館Center for Computing historyに展示されている。

 同氏はこのプロセッサの製作目的について、「プロセッサはあまりにも微細になり、内部で何が行なわれているか把握できなくなってしまった。そこで、逆にデータの動きや論理状態が目で見て分かるほど大きく作ろうと思った」と語っている。

 プロセッサには15,300個のトランジスタと8,500個のLEDが使われている。一方RAMには27,000個のトランジスタと2,048個のLEDが使われた。命令長は8bitとなっており、256種類の命令を定義できる。レジスタは7基で、うち4基が汎用、残りはそれぞれプログラムカウンタ、スタックポインタ、プロセッサステートとなっている。内部データパスは16bitだが、外部バスは8bit。RAM容量は256byte。最大消費電力は500Wだが、その大半はLEDを駆動させるためだとしており、ロジック自体はさほど電力を消費しないとしている。

 1972年に登場したIntel 8008は3,500のトランジスタを持つため、極めて巨大であるということを除けば初期のマイクロプロセッサに近いと言えるだろう。

 同氏のWebサイトでは、開発の様子や解説などが公開されている。興味のある読者はそちらも是非訪れてみてはいかがだろうか(James Newman氏のサイト)。

【3月30日修正・加筆】プロセッサの仕様について加筆/修正いたしました。