イベントレポート
元Google技術者が開発。オフィスソフト向けの11.6型Androidタブレット
(2015/1/9 00:00)
中国のスタートアップ企業Jideは7日(米国時間)、2015 International CESで記者発表会を開催し、Microsoft Officeなど生産性アプリの利用を前提に開発したAndroidタブレット「Remix Ultra-Tablet」を披露した。
Jideはまだ設立10カ月の若い企業だが、3人の共同創業者は、いずれも10年近くGoogleでGmail、Google Maps、AdWordsなどの開発に技術者として携わってきており、ソフトウェア開発に大きな自信を見せるが、今回披露されたRemixのように、ハードウェア開発も手がける。
Remixの開発目的は、エンターテイメントなどコンテンツ消費に優れるタブレットと、オフィス文書作成など生産性作業に好適なノートPCの使い勝手と性能を融合したモバイル端末を提供することにあり、Remixはビジネスマン向けのタブレットと言える。
Remixは基本的には通常のAndroidタブレットであり、この点において、低消費電力、薄くて軽い筐体、タッチ操作、多くのストアアプリといった優位性がある。そして生産性向上のため、40度と80度の2段階に角度調節できるキックスタンドと、磁石で取り外し可能なカバー型ハードウェアキーボードを標準装備とした。これにより、さまざまな場所で、キー入力ができるが、Alt+Tabによるアプリ切り替えや、Ctrl+C/Vによるコピー&ペーストといった、Windowsで標準的なキーボードショートカットもOSレベルでサポートしており、作業の効率向上に一役買っている。本製品の液晶は11.6型だが、これは快適な打鍵ができるハードウェアキーボードのサイズを念頭に置いて決定された。
UIもWindowsに似せてカスタマイズしており、画面下部にはタスクバーが表示。アプリを起動するとそのアイコンが表示されるので、楽にアプリ間を行き来できる。また、全てではないが、一部のアプリはメニューから「Phoneモード」へ移行可能で、このモードではアプリはスマートフォン用の画面でウインドウ表示されるようになる。
これらによって、複数のアプリを同時に開いて情報を参照しながら、入力したり、前述のキーボードショートカットを使って、アプリ間でテキストをコピー&ペーストといったことが容易にできる。このほか、一部のGoogle標準およびサードパーティアプリもそうだが、独自に開発したファイルマネージャーやメールアプリは、フルスクリーン時にタブレットの画面サイズを活用して、3ペイン表示するようになっている。
ハードウェアの主な仕様は、Tegra 4(1.81GHz)、メモリ2GB、ストレージ64GB、1,920×1,080ドット表示対応11.6型液晶、Android 4.4.4ベースのRemix OSを搭載。インターフェイスとセンサー類は、前面/背面500万画素カメラ、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、microSDカードスロット、Micro USB(OTG対応)、加速度センサー、ジャイロスコープ、コンパス、環境光センサーなどを装備。
バッテリ容量は8,100mAhで約8~10時間の駆動が可能。充電はMicro USB以外に、専用の磁石式電源ケーブル経由でも行なえる。本体サイズは295×189×9.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は860g。キーボードは厚み5mmで、重量は約300g。
中国では1月中旬より、米国では第2四半期からの発売を予定。価格は449ドル前後。また、中国ではストレージ16GBで250ドル前後の下位モデルも予定している。4月頃にはAndroid 5.0へのアップグレードを予定する。
なお、余談となるが、ちょうど1月6日付けで、Microsoft OfficeのAndroidタブレット向けプレビュー版が一般公開の運びとなっている。