イベントレポート

Panasonic、Androidデジカメ「LUMIX CM1」を発表

~2,000万画素の1型センサー。LTEを含むモバイル通信に対応

 Panasonicは、ドイツ・ケルンで16日(現地時間)から開催される世界的なカメラおよび写真の展示会「Photokina 2014」に向けて、会場となるケルンメッセでプレスカンファレンスを開催した。ミラーレス一眼のフラッグシップモデル「LUMIX GH4」の4K動画撮影に対応するファームウェアアップデートに加えて、ミラーレス「LUMIX GM5」、高級コンパクトデジタルカメラ「LUMIX LX100」などのデジタルカメラ製品を発表した。

 加えて新しい製品ラインとして、Android 4.4を搭載する「LUMIX CM1」を発表。ハイエンドのスマートフォン市場へ再参入する。

 LUMIX CM1は、2,000万画素の1型イメージセンサーをスマートフォンサイズのカメラとしては初めて搭載する。レンズはF2.8の「LEICA DC ELMARIT」。35mm換算で28mm相当の単焦点レンズとなる。画像処理エンジンは同社のLUMIXシリーズと同じVenus Engineを採用する。

 SNSなどに写真をシェアするコミュニケーション機能を重視し、高級コンデジとも言えるスペックとスマートフォン機能を一体化した。プロセッサはQualcomm製のMSM8974AB 2.3GHzでクアッドコア。OSはAndroid 4.4(Kitkat)。搭載メモリは2GBで本体ストレージは16GB。最大128GBまで利用可能なmicroSDカードスロットを備える。モバイル通信機能はLTE、WCDMA、GSMに対応する。対応する周波数や対応バンドなどの詳細は明らかにされていない。無線機能はほかにWi-Fi、NFCなどを搭載する。

公式のイメージ画像

 本体サイズは135.4×68.0×21.1mm(幅×高さ×厚さ)。21.1mmの厚さは撮影時のレンズ部分で、本体自体は15.2mm厚となっている。Androidの操作部分を兼ねるプレビュー画面は4.7型のフルHDパネルと発表されている。本体重量は204g。バッテリは交換可能なリチウムイオンで容量は2,600mAh。

「LUMIX DSC-CM1」の上部。電源スイッチの左にスマートフォンとしてのボリュームボタン、右にカメラ機能のホットスタート用スライドスイッチ、専用シャッターを配置
現時点では動かせないため分かりにくいが、底面には電気的な接点とバッテリパックの交換スロットを搭載する模様
レンズは沈胴式のF2.8 LEICA DC ELMARIT。マニュアルモードでは外周部を回転させてフォーカスを行なう

 撮影はAndroid向けの専用カメラアプリケーションを使用。フルオートのほか、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアルの撮影モードが選択できる。4K動画は15pに対応。4Kフォトアプリケーションを使って動画から4K相当の静止画を切り出すことも可能としている。

 当初はドイツおよびフランスから展開を予定。2014年第4四半期に出荷を開始する。価格は未発表。日本を含む他の地域での発売予定なども現時点では非公表となっている。

 本体にはスライド式の「Camera」スイッチを搭載。スタンバイ状態から同スイッチのスライドにより、高速に専用カメラアプリケーションが起動し、シャッターチャンスを逃がしにくい。デジタルカメラということで、シャッター専用ボタンも用意されている。レンズ部分は沈胴式。周囲にはネジが切ってあり、コンバージョンレンズなども付けられるようだ。

 展示会場オープンにあわせて、可能であれば実機のハンズオン情報も追ってレポートする。

パナソニックが2014年以降に大きく拡がると予想するConnected Devicesの製品カテゴリに位置する
上面の操作部を示すパナソニックの欧州地域イメージング担当マーケティング・ディレクター、セバスチャン・ドラワルト氏
スマートフォン機能を備えるが、カメラ機能に妥協のない「LUMIX」ブランドであることを強調
2,000万画素の1型イメージセンサーを搭載する
レンズ外周部のリングを使った、フルマニュアル操作が可能
絞り、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなどは、外周リングやプレビュースクリーン上で選択する
Twitter、Facebook、YouTubeなどにシームレスに投稿が可能
世界初の「Communication Camera」と紹介された
公式画像で、レンズの収納状態と撮影状態を比較

(矢作 晃)