【CeBIT 2010レポート】【ストレージ編】
SandForce SSDやUSB 3.0対応フラッシュの製品が増加

SandForceのクライアント向けSSDのコントローラ「SF-1200」。エンタープライズ向けのSF-1500とともに高性能コントローラとして人気が高まっている

会期:3月2日~3月6日(現地時間)

会場:ドイツ共和国 ハノーバー市 ハノーバーメッセ



●SandForceコントローラ搭載SSDが多数、SATA 6Gbps対応品は展示なし

 フラッシュメモリやSSD製品を手がけるメーカーは、多くがSSDの新製品を展示した。会場の2.5インチSSDの容量は200GB~256GBで頭打ちといった傾向。ただ、OCZは400GBのSSDをアナウンスしており、この春以降に投入するとした。

 パフォーマンスをアピールする製品は、こぞってSandForce製コントローラを搭載してきているのが目立った傾向といえる。SandForce製コントローラには、エンタープライズ向けのSF-1500、クライアント向けのSF-1200がある。国内では現状、SF-1500を搭載した製品がいくつか発売されているが、CeBITの展示製品では後者のSF-1200を搭載する製品が見られるのも特徴となっている。

 一方、もう1つの高速化手法として期待されるSATA 6Gbpsへ対応した製品の展示は見られなかった。Silicon Power、OCZの各ブーススタッフは検討するとは述べるものの、具体的なプランについては明言がない。こちらの動きは第2四半期以降を待つ必要があるようだ。

Teamの「Xtreem-S1」。SandForce製コントローラを搭載。60/120/250GBの容量がラインナップされる。速度はリード/ライトともに260MB/secTeamの「Xtreem-G1」。Indilinx製コントローラを搭載。容量は60/120/250GBで、リード260MB/sec、ライト180MB/secを公称するG.Skillの「PHOENIX」。SF-1200を搭載。3月末に出荷予定
OCZの「Vortex 2 EX」。SF-1500にSLCを組み合わせたモデル。50/100/200GBをラインナップ。リード280MB/sec、ライト270MB/sec、4KBランダムライト22,000IOPSをうたうOCZの「Vortex 2」。SF-1500にMLCを組み合わせたモデル。容量は50/100/200/400GBで、速度はリード280MB/sec、ライト270MB/sec、4KBランダムライト20,000IOPSOCZの「Agility 2」。SF-1200にMLCを組み合わせたモデル。容量は50/100/200/400GB。リード275MB/sec、ライト265MB/sec、4KBランダムライト10,000IOPSをうたう
RunCoreの「Kylin II」。SF-1500を搭載。リード250~280MB/sec、ライト240~270MB/sec、4KBランダムライト25000~30000IOPSをうたうRunCoreの「Pro V」。SF-1200を搭載。リード250~280MB/sec、ライト240~270MB/sec、4KBランダムライト7500~10000IOPS。RunCoreは日本への進出を計画しており代理店を探しているという

●USB 3.0対応フラッシュや外付けHDDケース

 SSDの紹介でも少し触れたが、今回のCeBITではSATA 6Gbps対応の普及を感じさせる製品はマザーボードの存在ぐらいで、対応製品に関しては皆無といった状況である。

 一方で、外付け用の新しいストレージインターフェイスとして期待されるUSB 3.0は対応製品が増加した。フラッシュメモリや外付けHDDケースなどが続々とUSB 3.0対応しており、興味深くスタッフに質問を投げかける人も目立っていた。

Super Talentが展示したUSB 3.0対応USBメモリ。今月末に出荷予定で、16GBで70ドル以下をターゲットにしているSuper Talent製USBメモリのベンチマークデモ。シーケンシャルリードが約130MB/sec、シーケンシャルライトが約40MB/secといったところ同じUSB 3.0対応USBメモリを、USB2.0ホストへつなげた場合のベンチマーク結果がこちら
Silicon Powerの「LuxMini 950」。シーケンシャルリード190~200MB/sec、同ライト90~100MB/secをうたう。容量は64/128GBが予定されているSilicon PowerはUSB 3.0対応のモバイルHDD「A70」も展示。いずれの製品も第2四半期出荷を予定している
A-DATAの「Nobility N005」は16/32/64GBのラインナップが予定されているUSB 3.0対応USBメモリ。第2四半期出荷を予定しているA-DATAの「Nobility N002」は、SATAとUSB 3.0のコンボインターフェイスタイプのSSD製品。同じく第2四半期出荷が予定されている
RAIDONはUSB 3.0に対応した2.5インチHDD/SSD対応のRAIDケースを展示。左端の製品は4台搭載タイプ。3台以上を搭載可能な製品はRAID5もサポートする。6月出荷開始を予定同じくRAIDONは3.5インチHDD対応の外付けHDDケースも展示。同じく6月出荷開始予定とのこと
ICY DOCKの「MB559USB3」。USB 3.0対応の3.5インチ対応HDDケースICY DOCKの「MB668USB3」はUSB 3.0対応の2.5インチ対応HDDケース。ICY DOCKのUSB 3.0対応製品は3~6月のどこかで出荷、としているRunCoreでは8/16/32/64GBのフラッシュメモリとUSB 3.0ホストを一体化したExpressCard/34製品も展示。第2四半期出荷予定。フラッシュメモリの転送速度はリード120MB/sec、ライト90MB/secをうたっている

(2010年 3月 5日)

[Reported by 多和田 新也]