イベントレポート

今年のCESはフィジカルAIとロボティックスに注目だ!

左からCTA 副会長 兼 展示会担当事業部長 ジョン・ケリー氏、CTA 会長 キンゼー・ファブリツィオ氏、CTA 上席副会長 兼 CEOのゲアリー・シャピーロ氏

 CESは、例年1月の上旬に米国ネバダ州ラスベガス市の各会場(LVCC=Las Vegas Convention CenterやThe Venetian Expoなど)において開催されている、デジタル産業における世界最大の展示会だ。本年は1月6日~1月9日(現地時間)の4日間に渡って開催される予定で、1月4日からは報道関係者に向けたイベントなどがスタートしている。

 この中で、CTA(Consumer Technology Association)会長キンゼー・ファブリツィオ氏は「フィジカルAIやロボティックス関連の展示が増えている」と述べ、今年(2026年)の見どころの1つはフィジカルAIやヒューマノイドロボットなどになる可能性が高いと説明した。

フィジカルAIやヒューマノイドロボットなどが大きな注目を集めている本年のCES

CTA 上席副会長 兼 CEOのゲアリー・シャピーロ氏

 CESは1967年に初回が行なわれた歴史ある展示会で、かつてはConsumer Electronics Showという正式名称の略称ということで、CES(セス)という愛称で呼ばれていた。しかし近年は主催者であるCTA自身が、もはやConsumer Electronics Showの略称ではなく、CES(シーイーエス)が正式名称だと説明している。

 そのCESの主催者であるCTAは、報道関係者向けのプログラムが始まった1月4日に記者会見を行ない、見どころなどを説明した。CTAの会見に参加したのは、CTA上席副会長兼CEOのゲアリー・シャピーロ氏、CTA会長キンゼー・ファブリツィオ氏、CTA副会長兼展示会担当事業部長ジョン・ケリー氏の3名。それぞれが本年のCESなどの見どころなどを語った。

 CTAやCESの顔ともいってよいCTA CEOのシャピーロ氏は「CESは我々にとっても、産業にとっても特別なイベントだ。なぜなら、ここではイノベーションが生み出され、発表され、そして試され、議論され、進展が明らかにされる場所だから。

 そうした新しいイノベーションを持つスタートアップが、グローバルにブランドを展開するような大企業に見つけられ、そして皆さんのような報道関係者に発見される場でもある。まさにこれからの数日でそうした新しいブレイクスルーを多く発見していただけるだろう」と述べ、CESがイノベーションを発信し、それを来場者が見つけて、未来のApple、Amazon、Google、Microsoftなどを見つける場にしていきたいと語った。

キンゼー・ファブリツィオ氏

 ファブリツィオ氏は「AMD、BMW、ジョンディア、Lenovo、LG、Qualcomm、Samsungのような世界的なブランドも多数参加していただいているほか、Eureka Parkと呼ばれるThe Venetian Expoの展示会場では40カ国からのスタートアップが集まり、AIやロボティックスなどに関して多数のイノベーションを展示している。

 今年のCESではそうしたフィジカルAI、ヘルスケア、XR、自動車関連、スマート工場、エンタープライズテック、そしてエネルギーといった多数の分野で新しいイノベーションが示される。CES Foundryというイベントでは、量子コンピュータなど、これからの新しいトレンドについても議論する。

 また、我々自身のイノベーションも推進しており、新しいCESアプリには翻訳サービスも用意しているなどしており、英語圏ではない国から来た来場者の皆さまにはぜひ活用してほしい」と述べ、CESのイノベーションも進化しているとアピールした。

 今年のCES基調講演は、開幕前日(1月5日、現地時間、以下同)の夕刻にAMD CEOリサ・スー氏、初日(1月6日)朝に行なわれる開幕基調講演に独シーメンスAGのローランド・ブッシュ氏、そして初日夕刻にラスベガスの新名所となっている球体劇場SphereにおいてLenovo CEOヤン・ヤンチン氏、2日目(1月7日)朝に米キャタピラーCEOジョー・クリード氏などが登壇する計画になっている。本誌ではこうした講演に関しても順次リポートしていく計画だ。

スタートアップ優遇施策は大企業も歓迎しているとCTA、規模は例年並みになる見通し

CTA 副会長 兼 展示会担当事業部長 ジョン・ケリー氏

 なお、今回のCESでは、これまでの常連といってよい企業が撤退するなど、いくつかの大企業が不参加を決めている。

 たとえば、日本のソニーはその代表例で、同じく韓国のSamsungは昨年までのLVCCセントラルホールの巨大ブースがなくなり、その代わりに近隣のホテルでプライベート展示や記者会見などを行なう形に変えている。

 なお、ソニーに関しては、ホンダとの合弁会社になるソニー・ホンダ・モビリティーは出展しており、引き続き同社が販売するSDV「AFEELA」の展示などを行なう計画だ。

 このため、今回の記者会見でもシャピーロCEOは「スタートアップ重視は大事だが、同時に大企業に対する対策は?」という質問が記者から飛んだ。CTA副会長のケリー氏は「CTAのメンバーはいずれも大企業だが、CESにEureka Parkのようなスタートアップを優遇する展示会場を作ると決めたときに真っ先に賛成してくれたのは彼らだ。今ではEureka Parkには千社を超えるスタートアップを集めているが、その結果大企業にとっても、それらの企業との商談を行なう場になっている」と述べ、大企業にとってもスタートアップを優遇することが魅力になっているのだと強調した。

 なお、今年のCESの規模に関しては、「約4,000社の出展社、1,300人のスピーカーが参加するカンファレンスセッション、そして本年に関してはまだ正式な数字が出ていないので具体的にいえないが、2025年には参加者の40%が米国外から来ており、それは今年も同じだろう。そして6,500以上のメディア関係者が参加してくれている」(シャピーロ氏)と述べ、例年並みの規模、出展社数に関しては例年以上の規模で開催されていると説明した。

1月4日にはCES 2026 Unveiledと呼ばれる報道関係者を対象にしたプレショーが行なわれた