イベントレポート

ここに未来があった。TGS 2025で見つけた次世代ゲーミングデバイス、ツール

SitWarkブース

 9月25日から28日にかけて、千葉・幕張メッセにて「東京ゲームショウ2025」が開催された。会場で発見した、ゲームの操作性や没入感を向上させるさまざまな製品を紹介する。

 全体的に目立っていたのはレースゲーム用デバイスだ。レースゲーム向けのハンドル型コントローラやシフトレバー型コントローラ、ペダル型コントローラなど実際のドライブ環境に近づける製品が複数のメーカーから出展されていた。とりわけ目を引くのが、ゲーム内の動きに応じて駆動するレーシングシートである。

 これらの製品は、ゲーム内の車の状態を取得し、揺れや傾きといった体感をプレイヤーにフィードバックする。これにより、プレイヤーは実際に慣性や衝撃を受けながら、より没入感のあるレース体験が得られるという。

 例として、Shanghai WOWO Technologyが展示していた「WOWOELK」ブランドの製品「ELK GFORCE」を紹介する。3軸や4軸での駆動が多い中、複雑に配置された6軸のシリンダにより、傾いたまま水平方向に移動するなどの多様な動きが可能になっている。現在はグランツーリスモ7やF1 24など40以上のレースゲームに対応し、Xbox、PS5、Windows PCなどで利用可能だという。

動作中の様子。6軸のシリンダがそれぞれ動作し、前後左右に駆動する
体験者からは歓声や悲鳴が上がっており、さながらアトラクションのような体感だという
Moza Racingが出展していたシート。4軸の上に土台を置くタイプ。左: フライトシミュレータ構成、右: レースゲーム構成
ハンドルなどの周辺機器も多数出展
今回初出展のDELEが展示していたレーシングシート。座席が稼働するモデルはモニターやPC等セットで240万程で販売されている

 VRゲーム向けデバイスメーカーも複数出展しており、軽量さや感度、新たな感覚の追加など多くの製品が展示された。

 注目を集めていたのは、FPSなどでプレイ中に受けたダメージや衝撃を身体に直接フィードバックするベスト型のデバイスだ。筆者はVR TrueGearが出展していた「ME01」を体験した。

 ME01は胴体部分のベストと両腕のバンドから構成される製品だ。VR内で攻撃を受けるなど何らかの接触があった際、40個の振動触覚アクチュエータと両腕のEMCモジュールにより触覚フィードバックを受けられる。EMCモジュールが腕の筋肉に作用することで、近未来作品での「電撃を食らう」といったシーンやホラーゲームでの「異形の生物に捕まる」といったシーンでの不自由さ、狙い難さを体感できる。

MEシリーズ。VRコンテンツの触覚フィードバックを受けられる
ME01を装着した状態
bHapticsが出展する触覚フィードバックデバイス「TACTSUIT」シリーズ。ME01と同じくベストおよびアームバンド2本の構成

 武漢アート・ミスターデジタルテクノロジーからは、ゲーミングチェアに座ったままVR空間内を自由に動き回れるデバイス「SitWalk2」が展示されていた。

 前世代「SitWark」は足で操作するペダル部分と回転する土台部分で構成されており、土台部分に置く座椅子を自分で用意するか専用チェアオプションをセットで購入する必要があった。SitWalk2はフットペダル部分およびゲーミングチェアと接続するアーム部分のみに小型化されており、既に使用しているお気に入りのチェアに取り付けて使用できる。

 ペダルの前後左右操作によってVR内移動可能なのはもちろんのこと、SitWalk2本体がチェアの周りで円を描くように自走することで、VR空間内での振り向きが可能となっている。

SitWalk2本体、フットペダルを備えた自走ユニット
使用イメージ。本体がゲーミングチェアとアームでつながっている