イベントレポート

AcerとASUSが多数の4K液晶ディスプレイを展示

~4Kキャプチャカードを展示するメーカーも

会期:6月3日~7日

会場:Taipei World Trade Center Hall 1,3, NANGANG Exhibition Hall

Taipei International Convention Center

 COMPUTEXに併せて、IntelはSamsungと協業して4K液晶の価格を従来の半分に引き下げていくことを宣言。また、ASUSは4K液晶搭載ノートPCやディスプレイを発表したほか、4K対応のキャプチャカードを展示するメーカーもあるなど、今回のCOMPUTEXはPCの4K化元年となりそうな雰囲気だ。

 ASUSの製品は一部発表会で発表済みだが、Acer製品と併せて、会場に展示されていたものを紹介する。なお、発売日はいずれもワールドワイドでのもの。

G-SYNC対応機などを展示したAcer

 Acerは4K対応液晶3製品を展示している。

 「B286HK」は28型のスタンダードモデル。スタンダードといっても、スタンドは前後左右の角度、高さの調整、そしてピボット回転にも対応。インターフェイスはHDMI(MHL対応)、DisplayPort、DVIを装備し、USB 3.0 Hubも内蔵する。発売は6月。

「B286HK」

 「B326HK」は32型で、RGBの3原色に、イエロー、マゼンタ、シアンを加えた6色で色相/彩度調節を行なう「6軸カラー調節」機能を搭載し、色域はsRGB 100%をカバーする。こちらもインターフェイスはHDMI(MHL対応)、DisplayPort、DVIを装備し、USB 3.0 Hubも内蔵する。発売は7月。

「B326HK」

 「XB280HK」は、先だって発表された世界初のNVIDIA G-SYNC対応4K液晶。GeForceと組み合わせることで、テアリングに伴う表示の乱れや、表示遅延を抑制できる。サイズは28型。スタンドは前後左右の角度、高さの調整、ピボット回転に対応。インターフェイスはDisplayPortのみ。USB 3.0 Hubも内蔵する。発売は8月。

「XB280HK」

 ちなみに、G-SYNCと同等の機能を実現するものとしてVESAが先日標準規格として発表した「Adaptive-Sync」について、会場でみつけたNVIDIAのスタッフに質問してみたところ、「我々はすでに対応製品を市場に出せている強みがあるので、Adaptive-Syncについては特に脅威だとは思っていない。ただし、標準規格である以上、我々も順次対応を進めていく」とのコメントを得られた。状況としては、GPGPUでCUDAが先行し、さまざまなアプリも登場する中、OpenCLやDirectComputeにも対応しているのと似ていると言えるだろう。

裸眼立体モデルも展示したASUS

 ASUSは、2日と3日に行なった発表会で、4Kノート「Zenbook NX500」、4Kゲーミングノート「GX500」、32型4K液晶「Pro Art Monitor PA328Q」の3製品を発表している。それぞれの詳細は関連記事を参照されたいが、ブースではこれ以外に3機種の液晶ディスプレイが展示されていた。

 「PB279Q」は4Kで世界初の27型を謳う製品。主な仕様は、応答速度が5ms(中間色)、輝度が300cd/平方m、視野角が上下/左右とも178度ということで、IPS系のパネルと思われる。色域はsRGB 100%をカバー。インターフェイスはDisplayPort、Mini DisplayPort HDMI(MHL対応)×4と非常に豊富。4K解像度でのリフレッシュレートはDisplayPort接続時が60Hz、HDMI接続時が30Hz。スタンドは前後左右の角度、高さの調整、ピボット回転に対応する。発売は第3四半期の予定。

「PB279Q」

 まだ製品名の付いていない「28" 4K G-SYNC Monitor」はその名の通り、XB280HK同様G-SYNCに対応する28型製品。主な仕様は、応答速度が1ms(同)、輝度が300cd/平方m、視野角が上下160度/左右170度。インターフェイスはDisplayPort、HDMI×2(内1つはMHL対応)。4K解像度でのリフレッシュレートはDisplayPort接続時が60Hz、HDMI接続時が30Hz。こちらもスタンドは前後左右の角度、高さの調整、ピボット回転に対応。発売は未定。

G-SYNC対応28型

 同社はもう1つ4Kで世界初の製品として裸眼立体視に対応した28型機を参考展示していた。裸眼立体視の場合、解像度はそれぞれの目に対して元の半分になるが、4Kの場合、それでもフルHDと同じ解像度になるので、精細さを保てる。3Dをオフにすれば、フルの4K液晶として利用できる。まだ技術デモの段階であり発売は未定。

裸眼立体視対応28型

4Kキャプチャボードも展示

 このほかYUANが、4K対応のキャプチャカードを展示していた。この製品は直接エンドユーザーに販売するものではなく、ボードとドライバのみで卸し、それをソフトウェアメーカーなどが独自にエンコーダや編集ソフトを貼付して販売するものとなる。現在サンプル出荷を行なっているとのことなので、早ければ年内にも製品化されるのではと思われる。

YUANの4Kキャプチャカード。4K 1chかフルHD 2ch同時キャプチャに対応。4Kでの入力周波数は30Hz
こちらはフルHD対応製品だが、世界最小を謳うハードウェアエンコード対応のUSBキャプチャユニット。これを4つ使うことで4K液晶に4ストリーム同時表示というのをデモしていた

(若杉 紀彦)