イベントレポート

【詳報】ASUS、初の4K液晶搭載ノートを発表

~4K液晶ディスプレイ新モデルも

会期:6月3日~7日(現地時間)

会場:

Taipei World Trade Center NANGANG Exhibition Hall

Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1

Taipei World Trade Center Exhibition Hall 3

Taipei International Convention Center

 ASUSTeK Computerが現地時間の6月2日に台北市内で開催したプレスカンファレンスで発表された新製品の内、本稿では4K表示に対応する製品を紹介する。

Zenbook NX500

 同社の薄型ノートPC最上位モデルである「Zenbook」シリーズの新モデル「Zenbook NX500」。Zenbookは薄型ボディでモバイル用途をターゲットとしたシリーズだが、Zenbook NX500は少々ターゲットが異なっており、映像処理などのプロフェッショナル用途をターゲットとした製品となっている。

 最大の特徴となるのは、同社ノートPCとして初となる4K(3,840×2,160ドット)表示に対応する15.6型液晶を採用する点だ。液晶パネルはIPS方式で、表面が光沢処理となるため、非常に鮮やか、かつ高精細な映像を表示できる。発色性能の高さも特徴となっており、sRGB比146%、Adobe RGB比108%、NTSC比100%の広色域表示が可能となっている。タッチパネルも標準搭載となる。

 プロフェッショナル用途をターゲットとしていることもあり、スペックの高さも特徴の1つ。CPUは4コア/8スレッド処理対応のCore i7-4712HQ(2.3GHz)を採用し、外部GPUとしてGeForce GTX 850Mも標準搭載。メインメモリはオンボード4GBまたは8GBで、SO-DIMMの増設により最大16GBまで搭載できる。内蔵ストレージはNGFF仕様のSSDで、SATA対応SSDまたはPCIe x4対応SSDの双方に対応。デュアルSSD構成にも対応しており、SATA対応SSDを2基搭載したRAID 0構成も可能という。容量は、128GB/256GB/512GBのいずれかの容量を搭載できる。また、IEEE 802.11ac 3×3対応の無線LAN機能による高速な無線LAN通信も可能。

 このように高スペックながら、Zenbookシリーズの特徴でもある薄型ボディもしっかり踏襲している。液晶が15.6型に大型化したことでフットプリントは378×255mm(幅×奥行き)と大きくなっているが、高さは19mmに抑えられている。また、重量も2.2kgと、このサイズとしては比較的軽量となっている。本格モバイル用途には少々厳しいが、高性能ノートを気楽に持ち運びたいというニーズには十分対応できそうだ。

 本体デザインも従来モデルを踏襲。ボディは従来同様アルミ合金の削り出しで、天板には同心円状のヘアライン処理が施されている。それに対し、キーボード面に同心円状のドットの模様が施されている点は、従来にはない特徴といえる。フットプリントが大きいため、キーボードやタッチパッドは余裕のあるサイズとなっている。

 発売時期は8月末を予定しており、価格は未定とのこと。

15.6型4K液晶搭載の薄型ノート「Zenbook NX500」
液晶はNTSC比100%の広色域パネルを採用しており、プロのグラフィックス用途にも対応
左がZenbook NX500で採用の広色域パネル、右が従来の液晶パネル。発色が自然で非常に鮮やかだ
ボディはアルミ削り出しで、天板に同心円状のヘアライン処理が施されている点はシリーズ同様
キーボード面。フットプリントが378×255mm(幅×奥行き)と大きいため、キーボードやタッチパッドは余裕がある
キーボード面には同心円状のドットパターンが施されている
高性能スペックを詰め込みつつ、高さ19mmの薄型ボディを実現
左側面ポートはMini DisplayPort、HDMI、USB 3.0を用意
右側面には、ヘッドフォン/マイク共用ジャック、SDカードスロット、USB 3.0×2を用意

Pro Art Monitor PA328Q

 こちらは、4K(3,840×2,160ドット)表示対応の32型パネルを採用する液晶ディスプレイ新モデル「Pro Art Monitor PA328Q」。昨年(2013年)のCOMPUTEX TAIPEI 2013では、4K表示対応のIGZOパネルを採用した液晶ディスプレイ「PQ321」を発表したが、その後継と言える製品となる。

 Pro Art Monitorというブランドからも分かるように、プロフェッショナルグラフィックス用途をターゲットとしている。10bitカラーに対応し、NTSC比100%の広色域表示に対応。また、全台カラーキャリブレーションを施した上で出荷される。

 液晶パネルの種類は非公開。IPSではないそうだが、同等の技術をベースとしたパネルを採用しているという。視野角は上下/左右とも178度と十分に広く、斜めから見ても色合いや明るさの変化は少ない。輝度は350cd/平方m。液晶表面は非光沢処理となっている。

 映像入力端子は、DisplayPort 1.2×1、Mini DisplayPort×1、HDMI 2.0/MHL 3.0共用×1、HDMI 1.4×2と豊富に用意。HDMI 2.0対応端子を備えるため、HDMI接続時でも4K/60Hz表示が可能。また、ピクチャー・イン・ピクチャーおよびピクチャー・バイ・ピクチャーもサポートし、2系統入力の同時表示にも対応している。

 さらにUSB 3.0 Hub機能も備えており、左側面にUSB 3.0ポートが4ポート用意される。スタンドは高さ調節、角度調節、スイベルに加えてピボット機構も備え、縦位置での利用にも対応する。

 本体サイズは非公開ながら、左右ベゼル幅が10.6mmの狭額仕様となっており、32型パネル採用ではあるがコンパクトにまとまっている。ベゼル幅が狭いため、電源ボタンや各種操作用のボタンは右側の背面に配置されている。ただ、OSD操作用としてスティックタイプのコントローラが採用されており、操作性を高めている。

 発売時期は11月を予定しており、価格は未定。

プロ向け32型4K液晶ディスプレイ新モデル「Pro Art Monitor PA328Q」
10bitカラーに対応し、NTSC比100%の広色域表示にも対応する優れた表示性能を備える
映像入力はDisplayPort 1.2×1、Mini DisplayPort×1、HDMI 2.0/MHL 3.0共用×1、HDMI 1.4×2。HDMI 2.0対応でHDMI接続でも4K/60Hz表示が可能
USB 3.0 Hub機能も備え、左側面にUSB 3.0を4ポート配置
サイズは非公開だが、10.6mmの狭額縁仕様のため32型としてはコンパクト
液晶部は薄型で奥行きもそれほど大きくない
スタンドはピボット機構にも対応し、縦位置での利用が可能
背面の様子
電源ボタンや各種操作ボタンは背面に配置されている

(平澤 寿康)