イベントレポート

【速報】新世代Mac Proを公開。正式発表は2013年終盤

~最新のXeon、デュアルGPUにFire Pro、Thunderbolt 2などを搭載

6月10日(現地時間)発表

会場:Moscone Center West

新世代Mac Proの概要を発表したワールドワイドマーケティング担当上級副社長のフィリップ・シラー氏

 米Appleは米サンフランシスコで10日(現地時間)から開催しているWWDCの基調講演の中で、Sneak Peek(ちら見せ)という形で、新世代のMac Proを初公開した。

 今年終盤に正式発表されるというMac Proは、Ivy Bridge-EPと推測されるIntel Xeonプロセッサを搭載。最大12コア24スレッドで動作する模様だ。GPUにはワークステーション向けのAMD製Fire Proを搭載し、4Kディスプレイを同時に3枚駆動できるパフォーマンスを持つという。

【11時40分訂正】記事初出時、デュアルソケットとしておりましたが、これは誤りです。お詫びして訂正します。

ポートの位置はイルミネーション表示される

 また、先日Intelが発表したThunderbolt 2を採用し、こちらの転送速度は最大で20Gbpsと従来のThunderbolt比で2倍となる。現在公開されているインターフェイス類は、このThunderbolt 2を6ポート搭載するのをはじめとして、USB 3.0を4ポート、Gigabit Ethernetを2ポート、HDMI出力、音声入出力などが明らかになっている。

正式発表ではなく、Sneak Peek(ちら見せ)として披露された
Ivy Bridge-EPと推測される新世代ワークステーション向けCPUを搭載。最大12コア
GPUにはAMD製のFire Proをデュアルで採用する。4,096個のストリームプロセッサを搭載
4Kディスプレイにも対応。3枚の4Kパネル運用に対応
4K対応の映像コンテンツ作成には欠かせないスペックとなる見通し
本体内のストレージもPCIe経由の接続で高速化。リードで1.25Gbps、ライトは1Gbps

 筐体デザインは一新され、円筒形のデザインを採用する。サイズも小型化されている。従来内蔵していた光学式ドライブやHDDの内部拡張性などを廃して、追加のストレージなどはThunderbolt 2の利用を推奨するという方向性と思われる。

先日Intelから発表されたThunderbolt 2を採用。従来の2倍となる20Gbps(1レーンあたり)の転送が行なえる
現行のMac Proに対して、小型化を実現した。比較写真を見る限りでは、高さは半分程度、容積であれば約8分の1程度と思われる
正式発表および出荷は「Coming later this year」ということで、今年の終わり頃

 アクリルケースに入れられているが、本体は基調講演の終了後のホワイエで公開された。その様子をみると、本体内ストレージにはSSDを採用。ECCに対応するメモリスロットは計4本。CPUとGPUは外からは見えない内側に搭載されている。CPUはオンボードということだが、GPUに関してはリムーバブルで、メモリとともにユーザーによる交換が可能だとしている。

おそらく底面と思われるロゴの部分。iMacに続いて、米国内で製造されることが強調された
展示されたMac Proのインターフェイス部分。従来モデルの内部拡張性を外側へと引き出したのが6ポートあるThunderbolt 2。他にUSB 3.0×4がある。Gigabit Ethernetがデュアル仕様なのは従来どおり
ECCメモリのソケットはインターフェイス部分の左右に2枚ずつ計4本が搭載される
SSDを除く構造部分はほぼ同一の2枚の基板。おそらくこの内側にGPUが搭載されている。スタッフによれば、GPUはユーザーによる交換が可能
筐体はアルミだが、既存のMac製品とは異なる質感を持つ
インターフェイス部分の上にAppleのロゴマーク。盗難防止用のスロットも見える

 講演の中で、フィリップ・シラー上級副社長がインターフェイスへのアクセス性の良さをコメントしていることから、魔法瓶のような底面を採用して設置状態で回転する可能性もある。

 あくまで予告的なチラ見せということで、詳細なスペックや発売時期、販売価格などは明らかにされていない。唯一、2013年の正式発表を予告している。

 基調講演で紹介された他の製品やOSに関する情報は続報する。

(矢作 晃)