イベントレポート
NVIDIA技術デモ。秘書のようなAIアバターや、PDF書類をラジオ番組っぽい音源に変換するAIなど
2025年1月10日 08:49
PDFも読み込めるデスクトップのAIアバター「Project R2X」
デスクトップ上に表示されるAIアバターが、ユーザーの質問などにすばやく答えてくれるというもの。単に音声でやりとりできるだけでなく、PDFファイルをドラッグ&ドロップすると読み込むことなども可能で、その情報に関する質問にも答えられるようになる。デモではゲーム「DOOM 3」の説明書やBlackwellに関する資料を読み込ませた後、それぞれについて尋ねると、すらすらと答える様子などが実演された。
NVIDIA ACEを活用し、音声出力にあわせて顔が自然に動くようになっており、アバターの外観も変えられることも可能。日本語での会話もできるようで、説明員が「○○について日本語で説明して」と英語で問いかけると、アバターが流暢な日本語で話していた。なお、処理はすべてローカル上で行なわれているという。
PDFファイルをラジオ番組に変換してくれる「PDF-to-Podcast」
PDFファイルを音声のPodcastに変換してくれる技術もデモされていた。AI推論アプリケーションをコンテナ形式で提供するマイクロサービス「NVIDIA NIM」において、ワークフローのカタログとして使えるBlueprintの1つとして作られたもの。PDFファイルの内容を解釈し、Podcast(ラジオ)っぽい会話に落とし込んで、音声ファイルとして出力してくれる。
デモでは、Blackwellに関する資料のPDFファイル(画像や表を含む)を読み込ませると、あっという間にBlackwellについてのトークを繰り広げるPodcastが出力されていた。ビジネスやエンターテイメントといたPodcastのテーマを選ぶことも可能なほか、RAG(Retrieval-Augmented Generation)によるAIチャットボットを通じたPDF内の情報検索なども行なえていた。
DLSS 4によるパフォーマンスアップのデモ
今回新たに登場したDLSS 4関連のデモもいくつか行なわれていた。GeForce RTX 4080とRTX 5080との比較デモでは、従来比2倍高速で、かつより高品質な描画が可能だとアピールしていた。たとえば食器の柄部分など、細かな部分の表現品質が改善されている様子が実演されていた。
また、GeForce RTX 5090を使って、4Kネイティブの場合と、4K DLSS 4+Multi Frame Generationを有効にした場合を比較するデモも行なわれていた。フレームレートの差は約8倍で、劇的なパフォーマンス向上が図れると説明していた。
さらに、GeForce RTX 4090とRTX 5070を比べるデモ展示もあり、こちらではDLSS 4のパワーを利用しながらではあるものの、前世代のフラグシップ製品を上回るフレームレートを達成できる様子が実演されていた。
Steam DeckやHMD向けのGeForce NOWアプリが登場
クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」に関するデモも実施されていた。CES 2025にあわせて、GeForce NOWがポータブルゲーム機のSteam Deck、およびヘッドマウントディスプレイ(MHD)のApple Vision Pro、Meta Quest 3/3S、Pico製のMRデバイスをサポートすることが発表されており、これを実際に体験できる場となっていた。
Steam Deckはそれ自体がゲームであるため、単体でさまざまなゲームをプレイできるのだが、GeForce NOWを通じてプレイすることで、ハイエンドPCクラスの高画質でゲームを遊べるようになる。これに加えて、CPU/GPUの使用率がぐっと抑えられるため、バッテリ駆動時間の延長にも寄与できると説明していた。Steam Deck向けネイティブアプリの提供は2025年上半期中を予定しているという。
HMD向けアプリについては、Meta Quest 3を使ったデモが用意されていた。パルスルーで見える現実空間の中に、大きなゲーム画面が配置されているといったもので、実際にHMDを被ったままゲームをプレイできる。こちらは1月中に利用可能になる見込みだという。