イベントレポート

j5create、2台のPCを接続して画面拡張やKVMとして利用できるUSBハブ

j5createのJCH462、2台のPCを接続して画面拡張やKVMとして利用可能

 j5createは、5月30日~6月2日の日程で台湾・台北市で開催されているCOMPUTEX 2023に出展し、開発中の新製品などを参考展示した。

 中でも注目は、PCとPCをUSBケーブルで接続して、接続されたPCを2番目のモニター(ミラーリング/拡張)、クリップボードの共有、キーボード/マウス/ペン機能の共有を可能にする「JCH462」を出展して注目を集めた。

2つのPCをUSBハブで接続して画面拡張、ミラーリングや入力デバイスの共有ができるJCH462

2台のPCをUSB Type-Cで接続するという、一見すると不思議なUSBハブ

 今回j5createが展示したJCH462は、一見すると単なるUSBハブのように見えるが、よく見ると、2カ所からUSBケーブル(USB Type-Cだが、USB Type-Aへの変換コネクタが標準装備)が生えた非常にユニークな形状になっている。単にType-AとType-C両対応のように見えるが、実はそうではない。これは両方の端子を、それぞれ別のPCに接続して、2つのPCをこのハブで接続するためにあるのだ。

 その上で、j5createが提供するソフトウェア(具体的にはソフトウェア的な切り替えツール、そして仮想ディスプレイドライバ)をインストールすると、2つのPC間でクリップボード、キーボード/マウス/ペンのような入力機器を共有することが可能になる。

 その機能だけを見ると、Microsoftがフリーソフトとして提供している「Mouse Without Borders」をネットワークなしに、USBだけで利用しているツールに見えるだろう。

 しかし、このJCH462の機能はそれだけでなく、2つある入力ポートに接続しているPC(PC1、PC2と呼ぶ)のうち、PC1を母艦としてPC2のモニターにPC1の画面をミラーリングするか、拡張表示させてセカンドモニターとして利用することが可能なのだ。

 こうしたPCなどをセカンドモニターとして利用する機能としては、Windows 11に標準搭載されている接続やMiracastなどのWi-Fi Directの機能を利用したものがよく知られている。あるいは、サードパーティーのツール(例えばDuet Display)などで、IPネットワーク(つまりは有線LANやWi-Fi)などを利用してモニターをソフトウェア的に拡張するものなどが選択肢としてある。

 それらの課題は、多くがワイヤレスネットワークを利用するため、通信がやや不安定な場所で利用すると、接続が切れてしまい、2番目のモニターに表示していたアプリがメインPCの画面に移動してきてイライラ……ということはよくあるシーンだ。

画面拡張していない状態
画面拡張している状態
仮想ディスプレイドライバ

 このJCH462のセカンドモニター機能はUSBで接続するため、そうしたWi-Fiの安定性などは無関係に安定して利用できる。

 実際にどのように実現しているのかというと、Magic Control Technologyという企業の仮想ディスプレイデバイスがPCにインストールされ、そのソフトウェアを活用してミラーリングや拡張モニターを実現する形になる。同社が提供するソフトウェアをインストールすると、Windowsの通知領域に切り替えツールが導入され、それを利用して「拡張モニター」(Extend)、ミラーリング(Duplicate)を選ぶことが可能になる。

 j5createによれば、今回は正式な製品の発表ではなく参考展示で、製品の提供に向けて準備を進めており、準備が整えば第3四半期あたりに提供を開始したいという意向とのことだった。

必要のないときは本体に合体できるワイヤレスマイクを備えた2KカメラとなるJVU300

JVU300

 同じくブースでデモが行なわれていた「JVU300」は、2K/60fpsの解像度のWebカメラになる。最近のWebカメラの流行となっている、ハードウェアレベルでのAI機能(オートフレーミングや人物トラッキング)の機能などが用意されており、カメラに写っている人物を追いかけながらズームして相手に表示する、そうした使い方が可能だ。

ワイヤレスマイク
ワイヤレスマイクを取り外した状態
このように取り付けられる
縦位置にすることも可能で、ショートSNS動画に最適なアスペクト比に自動で切り替わる

 また、ユニークな機能としてワイヤレスマイクが用意されており、利用時にそれを口に近い胸元などにつけておくことで、よりクリアな音声をビデオ会議相手に送れる。

 ユニークなのは、このワイヤレスマイク、ワイヤレスマイクとして使わないときは、カメラ本体にマグネットで合体して充電することが可能になっていることだ。これにより、必要な時だけワイヤレスマイクとして利用できるので、利便性が高い仕組みと言える。

 j5createによれば、こちらも今回は正式な製品の発表ではなく参考展示で、製品の提供に向けて準備を進めており、準備が整えば第3四半期あたりに提供を開始したい意向とのことだった。