イベントレポート
Intel、最大5.5GHzまでブーストできる第12世代Core KSシリーズ。GPU「Arc」もデモ
2022年1月5日 09:34
Intelは、1月3日(現地時間)に米国ラスベガス市で開催されている世界最大の家電ショー「CES 2022」のデジタル・プラットフォームに参加し、記者会見の様子をストリーム配信した。本来Intelの記者会見は対面で行なわれる予定だったが、新型コロナウイルスの米国での感染拡大などの影響を鑑み記者会見も配信のみに変更された。
誰も観衆がいないCESの会見場に登場したIntel 上級副社長 兼 クライアントコンピューティング事業本部 本部長 グレゴリー・ブライアント氏は、昨年(2021年)の10月にK SKUと呼ばれる倍率ロックがアンロックされたデスクトップPC版が先行して発表された第12世代Coreプロセッサ(Alder Lake)のモバイル版(ゲーミングPC向け、薄型ノートPC向け、タブレット向け)と、デスクトップPC版の追加SKUを発表した。
また、Intel副社長 兼 ビジュアルコンピューティング事業部長 リサ・ピアーズ氏は、Intelが開発コードネーム「Alchemist」で開発してきた単体型GPU「Intel Arc」のデモを行なった。Intel ArcはノートPC版とデスクトップPC版が用意される計画で、Intelが「Deep Link」と呼んでいる技術を使い、内蔵GPU、外付GPUの両方を使ってエンコードなどの演算に利用することができる。
【お詫びと訂正】初出時にリサ・ピアーズ氏の氏名を誤っておりました。お詫びして訂正させていただきます。
ターボ時5.5GHzに達するKSシリーズを今四半期の終わりまでに投入とサプライズ的に発表
今回行なわれた記者会見の中で、ブライアント氏は同社が昨年の10月にKシリーズ(倍率ロックのアンロック版)を先行して発表した第12世代Coreプロセッサのモバイル版(ゲーミングPC向け、薄型ノートPC向け、タブレット向け)と、デスクトップPC版の追加SKUを発表した。それらに関しては別の記事が詳しいのでそちらをご参照いただきたい。
そうした発表に先立ってブライアント氏は、KSシリーズという、新しいシリーズがデスクトップPC版に計画されていることをサプライズ的に明らかにし(実際Intelのプレスリリースにはそのことは触れられていない)、Pコアのターボ時最大周波数が5.5GHzに達する見込みの製品になると説明した。実際に行なわれたゲームのデモでは、確かに最大周波数が5.5GHzになっていることが確認できた。
ブライアント氏は「このKSシリーズは、今四半期の終わりまでに投入する」と説明しており、3月の末までには市場に投入される可能性があり、少しでも高性能が欲しいゲーミングPCユーザーなどには気になる製品となるだろう。
Intel Arcをデモ、第12世代Coreの内蔵GPUと協調して動作する
Intel副社長 兼 ビジュアルコンピューティング事業部長 リサ・ピアーズ氏は、Intelが開発コードネーム「Alchemist」で開発してきた単体型GPU「Arc」のデモを行なった。
IntelがDeepLinkテクノロジーと呼ぶ技術がそれで、エンコードなどでGPUを使って並列処理を行なうコンピューティング処理のに利用することができる。
Intelが「ハイパーエンコーディング」と呼んでいるエンコード処理では、DeepLinkによりiGPUとdGPUの両方をエンコードに利用でき、それぞれ単体で行なうよりも高速に処理できる。このハイパーエンコーディングに最初に対応する予定は、Blackmagic DesignのDaVinci Resolveで、ピアーズ氏が行なったデモでは、iGPUとdGPUそれぞれに負荷がかかりdGPUのみよりも高速にエンコードできる様子が公開された。
また、Xe SS(Super Sampling)と呼ばれるAIを利用したアップスケーリング機能も用意されている。今回はDEATH STRANDING DIRECTOR’S CUTがXeSS対応となることが発表された。すでにIntelは多くのゲームパブリッシャーにXe SSへの対応を働きかけており、今後様々なゲームパブリッシャーのAAAタイトルが対応していく見通しだとピアーズ氏は説明した。
ピアーズ氏によれば50を超えるノートPC、デスクトップPCがArcを採用する予定で、Acer、ASUS、Clevo、Dell、Gigabyte、Haier、HP、Lenovo、Samsung、MSI、NEC PCなどのOEM/ODMメーカーからリリースされる予定であるのと、Intel自身のブランドであるNUCにも搭載されるリリースされる予定だという。