イベントレポート

「第10世代Coreは内蔵GPU性能がはじめてAMDを超えた」。IntelがCESで新世代CPUの性能をアピール

 米Intelは5日(現地時間)、7日より開催されるCES 2020にあわせた説明会を開催。最新の第10世代Coreプロセッサが、ゲーム、クリエイティビティ、AIにおいて、競合のAMD製品より高い性能を示すということを多角的に紹介した。

 まずは、現行のゲーミングノートで採用される第9世代Core i7-9750Hについて、PCMark 10(Word、Excel、PowerPoint、Edge)、WebXPRT 3(Chrome)、Premiere Pro(H.265エンコード)、Photoshop(プレビューとフィルターの適用)といった、じっさいに使われるアプリケーションでの性能がいずれもRyzen 7 3750Hより高いことを紹介。この結果は、CPU以外のスペックを揃えた条件での結果だという。

アプリベンチにおけるCore i7-9750HとRyzen 7 3750Hの比較

 また、同条件で各種のゲームにおいても5割前後高いフレームレートが出るとの結果を披露。「ゲームの性能はGPUですべてが決まると思われがちだが、CPUによってもこれだけ差が出る」とした。

ゲームベンチにおけるCore i7-9750HとRyzen 7 3750Hの比較。GPUはGeForce RTX 2060

 加えて、モバイル向けで最高峰となるCore i9-9980HKを採用すると、その差はさらに広がることをアピールした。先のCore i7-9750HとRyzen 7 3750Hは、GeForce RTX 2060と組み合わせた結果だが、ここで図示されたCore i9-9980HKの性能はGeForce RTX 2080と組み合わせたもので、条件が異なる。

 これは「最高のスペックにした場合は、ここまで性能が出せるということを示すため。そして、何より、Ryzen 7 3750H搭載機では、GeForce RTX 2080を搭載した製品がないことを示すために、敢えて条件を変えた」のだという。

Core i9-9980HK+GeForce RTX 2080の結果を加えた比較

 そして最新の第10世代Coreプロセッサでも、「ほとんどの状況で性能面で優位に立つことは変わらない」と、各種ベンチマーク結果を紹介した。この結果を見ると、一部のテストでは競合製品に負けているものもある。これは「競合他社は、自社の優れた結果だけを強調して紹介するが、われわれはきちんと負けた部分もそのまま紹介する」と、ある種余裕とも取れる説明を加えた。

アプリベンチにおけるCore i7-10710UとRyzen 7 3700Uの比較
アプリベンチにおけるCore i7-1065G7とRyzen 7 3700Uの比較

 モバイル向けの第10世代Coreプロセッサには、Ice LakeとComet Lakeの2種類があるが、Ice Lakeについては、上位モデルで「Iris Plus」と呼ばれる新しいGPUが内蔵されている。そのIce Lakeの1つである、Core i7-1065G7については、内蔵GPUが各種ゲームにおいてRyzen 7 3700Uと互角以上で、一部のゲームにおいては5割以上高い性能を出しているとの結果を紹介し「内蔵GPUにおいても、はじめてAMDの性能を超えた」とした。

ゲームベンチにおけるCore i7-1065G7とRyzen 7 3700Uの比較

 その上で、バッテリ駆動時間は、競合CPU搭載機より長いという。

Core i7-1065G7搭載機とRyzen 7 3780U搭載機のバッテリ駆動時間

 また、Ice Lakeは、Iris Plusを使ったものに加え、ディープラーニングブーストと呼ばれるAI高速化機能と、GNA(Gaussian Neural Accelerator)と呼ばれるAI用回路を搭載し、言語認識や画像認識など、各種のAIを使った処理を高速化できる。

 これらは、用途やアプリによってそれぞれ使い分けられるが、すでに多種多様なアプリがこれらの機能に対応していることを紹介。性能面でも、Core i7-1065G7がRyzen 7 3700Uより2倍~6倍ほど高いとの結果を示した。

さまざまなアプリがすでにAIを活用している
加えて、それらのアプリはIntel CPUのAIアクセラレーションをフル活用している

 また、次世代のTiger Lakeでは、GPUは、新世代のXeとなり、GNAも第2世代となることでさらにAI性能が強化される予定だ。

次世代のTiger Lakeは、さらにAI性能を強化予定