イベントレポート
ASRockのMini-ITXビデオカード「RX570TM-ITX/TBT」の詳細
2019年5月30日 09:00
ASRockはCOMPUTEX TAIPEI 2019において、世界初のThunderbolt 3ビデオカード「RX570M-ITX/TBT」を公開した。
Thunderbolt 3を使用してGPUを接続するソリューションはいまや珍しくなくなってきたが、RX570M-ITX/TBTは基板とPCとつなぐインターフェイスレベルでThunderbolt 3にネイティブ対応している点が大きな特徴となっている。
また、Thin Mini-ITXフォームファクタを採用し、既存のPCケースに格納できる。4ポートのUSB 3.0やGigabit Ethernet、SATA 6Gbpsを搭載し、Thunderbolt 3で接続されたPCへのUSB PD給電が可能になっているなど、ドッキングステーションとして動作する点もポイントだ。
ちなみにGPUにRadeon RX 570を選択した理由について、29日の製品発表会でシステム開発部のBill Chenデスクトッププロジェクトマネージャーは「Radeon RX 580以上のGPUを搭載しても、Thunderbolt 3のバンド幅がボトルネックとなり、性能低下が著しいため、バランスを考慮した結果RX 570が最適である」とした。よって、需要があれば別だろうが、現時点ではASRockはこれ以上のGPUを考えていないようである。
なお、リリースでは電源について不明であったが、説明によると19V/330WのACアダプタを利用するとのことだった。GPUの電力消費に加え、USB PD給電も考慮した結果の容量だという。ボードの背面インターフェイスに混じってDC入力が用意されており、そこに接続するかたちとなる。
既存のMini-ITXケースを流用できても、ATX電源を流用できないのは、自作ユーザーにとってやや残念だが、ACアダプタと同じ300W程度のATX電源では、一般的に12Vの出力に特化していないため、Radeon RX 570駆動とUSB PD供給の両立は難しい、という判断があるかもしれない。
また、Thuderbolt 3ディスプレイとして液晶に組み込んで使えるよう、LVDSとバックライト、コントロールパネル用のピンヘッダも備えているが、eDPはないようで、このあたりも自作するさいのハードルとなりそうだ。
ASRockからパンチの効いた変態製品が出るのは久しぶりだが、RX570M-ITX/TBTはどちらかといえば自作ユーザー向けではなく、組み込み色が強い製品と言えるだろう。