イベントレポート

Cooler Master、ラジエータを2個装着した簡易水冷ユニットを発表

~ケースや電源など新製品を多数展示

2連ラジエータ採用の簡易水冷クーラーコンセプトモデル

 Cooler Masterは、COMPUTEX TAIPEI 2018会場ブースにおいて、多数の新製品を展示した。本稿ではその中から、特徴的なものをピックアップして紹介する。

120mmと240mmの2つのラジエータを装着した簡易水冷クーラーコンセプトモデル

 通常、水冷クーラーでは、1個の水冷ヘッドに対して1個のラジエータを使うことが一般的だ。しかし、今回Cooler Masterは、120mmラジエータと240mmラジエータの、2個のラジエータを同時に利用する簡易水冷クーラーのコンセプトモデルを展示した。

 ポンプ一体型の水冷ヘッドから伸びるパイプが120mmラジエータに繋がり、さらに240mmラジエータへと繋がったのちに、水冷ヘッドへ戻っている。これは、360mmラジエータ同等の冷却能力を実現しつつ、高い設置の自由度を狙ってのものとのことで、例えば比較的奥行きの短いケースでも、それぞれのラジエータを天面と背面に装着して利用可能となり、より優れた冷却能力が得られる。

 ちなみに、120mmラジエータは通常の構造だが、240mmラジエータはヒートパイプとヒートシンクを利用してクーラントの熱を冷却する特殊な構造となっている。また、水冷ヘッドにはアドレサブルLEDイルミネーションも用意されている。今回はコンセプト展示で発売時期も未定とのことだが、なるべく早い段階での製品化も検討しているとのことだ。

120mmラジエータは通常の構造だが、240mmラジエータはヒートパイプで大型フィンを利用した特殊構造となっている
水冷ヘッドにはアドレサブルLEDイルミネーションも搭載

第2世代Ryzen Threadripperに特化したCPUクーラー「AMD RYZEN WRAITH RIPPER」

 この大型CPUクーラーは上部に「Ryzen Threadripper」のロゴが見えることからもわかるように、AMDのRyzen Threadripper対応のCPUクーラーだ。しかも、AMDとコラボレーションし、第2世代Ryzen Threadripperに対応するよう設計されたものだという。

 また、クーラー上部のRyzen Threadripperロゴや、ロゴを囲うように伸びるラインにはアドレサブルLEDイルミネーションを内蔵しており、Ryzen Threadripper搭載を強くアピールできるデザインとなっている。もちろん第2世代Ryzen Threadripperに合わせた冷却能力を備えているため、安心して利用できると言っていいだろう。

 詳細は公開されていないが、ヒートパイプを7本していることが確認できる。発売時期は未定だが、第2世代Ryzen Threadripperと同時発売を目指しているという。

第2世代Ryzen Threadripper特化のCPUクーラー「AMD RYZEN WRAITH RIPPER」
サイズはかなり大きく、ヒートシンクもかなりのサイズとなっている
7本のビートパイプが使われている
上部にはRyzen Threadripperのロゴがあり、アドレサブルLEDイルミネーションで輝く

120mmファンを2個連結させた2連ケースファン「MASTERFAN MF240 P1 ARGB」

 MASTERFAN MF240 P1 ARGBは、120mmファンを2個連結して一体化させた、これまでに有りそうでなかったケースファンだ。

 水冷用の240mmラジエータやケース背面、上部など、120mmファンを2個並べて装着する場面は多く見られるが、これまでは120mmファンを個別に装着するしかなく面倒だった。それならいっそファンを2個連結させてしまえ、という発想で生まれたのがこれだ。

 また、アドレサブルLEDイルミネーションも搭載しているが、側面が一体化しているため見栄えが高められるという効果もありそうだ。

120mmファンを2個連結させた「MASTERFAN MF240 P1 ARGB」
アドレサブルLEDイルミネーションを搭載しており、側面も一体で光る

塗りやすさを考慮したチューブ採用のグリス

 CPUの表面にグリスを塗る場合、これまではチューブからグリスをだしてCPU上で均等に伸ばす必要があるなど、少々面倒だった。

 その面倒を改善したのがこのグリスだ。チューブ先端が横に平たいヘラのような形状となり、そこからグリスを出しつつ広範囲にグリスを塗布できる。封入されているグリスも熱伝導率が11W/m.kと極めて高く、ハイエンドCPUやGPUなどでの利用を想定しているという。

新構造のチューブを採用した高性能グリス。熱伝導率が11W/m.kと極めて高性能だ
先端が横長の平たいヘラのような構造を採用
グリスを押し出しながら簡単に塗布できる

Cosmos C700M

 Cosmos C700Mは、大型ケースCosmosシリーズの新モデル。サイズは従来モデルとほぼ同じで、曲面処理を施した側面強化ガラスパネルが扉のように開く構造はそのままに、本体上下にアルミニウム製のパーツを装着するとともに、アドレサブルLEDイルミネーションを搭載しデザイン性を高めている。

 また、内部では新たにビデオカードを縦向きに装着し、角度も変えられるパーツが取り付けられており、より見栄え良くビデオカードを装着できるようになっている。発売時期は日本では未定だが、海外では2018年秋頃の発売を予定している。

大型ケースCosmosシリーズ新モデル「Cosmos C700M」
曲面処理の側面暮らしパネルは扉のようにひらき、前方パネルも簡単に外せる
アドレサブルLEDイルミネーションも搭載
側面
背面
トップ前方にはUSBポートなどがあり、USB Type-Cも用意
ビデオカードを垂直に装着できる機構をそなえている
垂直に装着したビデオカードは角度も変えられる

SL600M

 SL600Mは、一見すると普通のタワーケースのように見えるが、内部の構造がかなり特殊となっている。マザーボードの取り付け位置は通常のケースと同様に垂直に装着するが、、なぜか拡張カードも垂直に装着する構造となっている。マザーボードと拡張カードが垂直に並ぶわけだ。マザーボードと拡張カードの接続は専用のライザーを利用。そして、電源ユニットはケース前方に垂直方向に装着する。

 じつはこの仕様は、内部の見栄えを高める意味もあるが、エアフローをケース下から上へと流れさせるためのもの。ケース底面に200mmファンを2個装着して外気を吸入、ビデオカードやCPUなどの熱をトップから排出することで、放熱効果を高める狙いがあるわけだ。まだ開発段階で、細かな部分の調整を行っているそうだが、2018年末までには発売したいとのこと。

内部構造が特殊なタワーケース「SL600M」
正面
側面。内部はマザーボードだけでなくビデオカードなどの拡張カードも垂直に装着する特殊な構造
背面
底面に200mmファンを2個搭載し、下から上のエアフローを確保して熱を効率良く排出する構造
内部の熱はケーストップから放出される
電源はケース前方に装着
トップ前方のUSBポートにはUSB Type-Cも用意

Low Profileメカニカルキー採用キーボード「CK620」、「CK630」

 ゲーミングキーボード新モデルとして展示されたのが、CK620とCK630。いずれもCherry赤軸または青軸のLow Profileメカニカルキーを採用するコンパクトサイズが特徴となっている。また、キーにはアドレサブルLEDイルミネーションも内蔵している。

 CK620は点キーレスのコンパクトタイプ、CK630はカーソルキーやIns、Delキーなどを独立させた形状で、この2製品を日本でも発売したいとのこと。なお、テンキーを備える「CK640」も展示されていたが、こちらは日本での発売は考えていないという。

 USB接続モデルとBluetooth接続モデルを用意するとのことで、USB接続モデルは2018年内、Bluetooth接続モデル2019年の発売を予定している。

Low Profileメカニカルキー採用の小型ゲーミングキーボード「CK620」
Cherry赤軸または青軸のLow Profileメカニカルキーを採用
こちらはカーソルキーなどを独立させた「CK630」
テンキーも用意した「CK40」もあるが、こちらは日本での発売予定はない

キー刻印を前方側面に配置した「CK372」

 CK372は、見た目こそスリムタイプのゲーミングキーボードだが、上から見ると刻印が全くないように見える。とはいえキー刻印が一切ないわけではなく、キートップの前方側面に刻印を配置している。そのため上からは何も刻印がないように見えるわけだ。見た目のすっきり感と、アドレサブルLEDイルミネーションによる華やかさを両立できる。

 スイッチにはCherry赤軸または青軸を採用。発売時期は2019年で、日本でも発売を予定しているとのことだ。

CK372。上から見るとキー刻印がなくすっきりしている
キー刻印はキー前方側面に用意