イベントレポート
国内で4,000人にまで成長したデルアンバサダー戦略の狙いとは
2018年3月5日 17:14
デル株式会社は2日、製品の魅力ブログなどで発信するモニタープログラム「デル アンバサダー」プログラムの1周年を記念した「デル アンバサダー 一周年記念サンクスパーティー」を開催した。
2016年12月にスタートし、1周年を迎えた同プログラムは、「今でこそ4,000人弱のメンバー数だが、当初は300名程度」の試行錯誤の連続であったと、主催者で同社部長の横塚知子氏は言う。
イベントでは、XPS 13とALIENWARE 13を賞品としたクイズ大会などのほか、現行製品の展示もあり、担当者からXPS 13のこだわりなど、いくつか伺うことができた。
ハード面の話題で興味深かったのは、XPS 13ホワイトモデルのグラスファイバーに隠された”秘密”や、ALIENWAREブランドで発売されるマウスといった周辺機器の今後の展開予定や、「日本向けモデル」が企画段階では考えられていた。
「ユーザーとダイレクトに向き合うため、あえて困難な道を選んだ」横塚部長
「すべてが初めての挑戦だった」1周年を迎えたアンバサダープログラムをデル株式会社 コンシューマー&マーケティング統括本部 部長である横塚知子氏はそのように振り返った。
同プログラムで開催される懇親会などはすべて企画から開催までデル株式会社で行なっている「前例のない取り組み」であるが、2016年12月のスタート時にはメンバー数300名程度であり、当初に開催されたイベントでは「社員とユーザーが5:3」で、製品の体験や意見のくみ取りから始まったという。
その後徐々にメンバーは増加し、現在では4,000人弱にまで成長した。しかし、なぜ成果を示すのが容易でもあるテレビCMや新聞広告でもなく、「アンバサダー」なのか? 横塚部長は「ユーザーとダイレクトに向き合うため」と述べた。
1周年を向かえた今後の展望は、プロモーション活動にとどまらない。ユーザーとの緊密なコミュニケーションからくみ取ったフィードバックを米国本社にはたらきかけ、実際の製品に反映していくことも考えているとのことだ。
「法人や直販だけ」無骨イメージからの脱却へ
DELLブランドで販売される製品は、かつて新聞広告や公式Webサイトからユーザーが直接購入し、製品そのものに触れたり意識するあまり機会はなかったといえる。
それもBTO(Build To Order:受注生産方式)を核とし、法人や直販をなかば専門的に扱う通称「デル・モデル」によるところも大きいと考えられる。卸などの中間業者を中抜きしつつ、受注生産のため在庫は減らせる革命的なビジネスモデルであった。
しかし、CPUやメモリ容量といった一目瞭然な指標に比して、今日の一般ユーザーのニーズや価値判断というのは非常に多種多様だ。カラーやデザインといった見た目はもちろん、日常の使い心地やユーザー体験といったサービスを付加価値として訴求するならば、その良さがユーザーに響かなければならない。そうでなければ差別化として成立しないからだ。
アンバサダープログラムもそうした一般ユーザーをターゲットとしたさいの困難を乗り越えるため、他者に先駆けて行なった方策であると考えられるだろう。
統一感にこだわり抜いた新「XPS 13」
2018年のCESで発表されたXPSの最新機種である本機だが、前世代ではシルバー/ブラックのみであったところに、ローズゴールド/アルパイオンホワイトが追加された。従来のシルバー/ブラックではカーボンファイバーが使用されていたが、ホワイトモデルではボディ天板やディスプレイ枠部分をホワイトとするためにグラスファイバーを採用した点で異なる。
あえてカーボンファイバーに塗装することでホワイトとせず、グラスファイバーが採用された理由はいくつかあり、1つはホワイトに塗装したさい、塗膜が厚くなりすぎてしまうということ、もう1つは前モデル同様、カーボンファイバーの織り目をそのまま活かした外見を両カラーで統一したかったとのことだ。
ホワイトモデルへのこだわりはそこにとどまらない。グラスファイバーは特注としてわずかに他の化学繊維が混紡されており、発色も追求した。さらに、ホワイトモデルでは使用や経年にともなう黄ばみや変色を防ぐため、UVカットコーティングをほどこしてある。
さらに、ホワイトモデルには専用のホワイトACアダプタが用意され、ケーブルもホワイトで統一されるなど、配慮の行き届いている印象を受けた。
ALIENWARE周辺機器について
Alienwareブランドでは、マウスやキーボードといった周辺機器も単体で販売している。現在ではデルのWebサイトや店頭からとりよせが可能なほか、Amazon.co.jpから購入することが可能(本体の詳細は過去記事"ALIENWARE、茶軸採用のゲーミングキーボードや13ボタンゲーミングマウスなど")。
また、企画段階では日本人の手の大きさにあわせたバリエーションが検討されていたそうだ。今後、より小さめのマウスがほしいなどのニーズがあれば日本向けモデルなども登場する可能性があると担当者は述べていた。
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