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NEC、電力不要のデータセンター向けサーバー冷却ユニット

「相変化冷却ユニット」

 NECは4日、データセンターに設置されたラックの背面ドアに取り付ける、電力不要の冷却ユニット「相変化冷却ユニット」を発売した。ラック当たり排熱量30kWに対応する「TYPE-A」が800万円から、同15kW向けが550万円から。

 相変化冷却はNEC中央研究所が独自研究したもので、構造はヒートパイプに近い。冷媒(液体)が気化する際に熱を奪う原理で排熱を回収し、浮力により配管を通って移動。この配管をサーバールーム外へ設置することで、温度差により自然に熱を放出して液化する。これを重力によって室内へ戻すことで、電力を使わずに自然循環を行なう。

 ラック背面ドアの受熱部は多段構成とし、流路設定を最適化することで、サーバーごとの冷却ムラを防ぎ、高い排熱回収率を実現するという。

 このユニットの導入により、NEC神奈川データセンターでは冷却に必要な電力を従来比30%削減したほか、一般的なシステムであれば、排熱の約50%を電力不要でサーバールーム外へ運び出せるとしている。

(多和田 新也)