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Nokia開発者、騒音でスマホを充電する技術を開発

「Lumia 925」(左)と試作した発電デバイス(右)
7月10日(現地時間)発表

 米MicrosoftのNokia開発者は10日(現地時間)、英クイーンメアリー大学と共同で、ユーザーの周囲の騒音による振動を利用してスマートフォンを充電する技術の実験に成功したと発表した。

 同チームはナノレベルの酸化亜鉛粒子をプラスチック板に塗布したデバイスを開発。原子や分子は、ナノメートルサイズにまで分解すると特性が大きく変わることがある。酸化亜鉛には圧電特性があり、ライターの着火スイッチを押し下げて圧力を与えると火花が散るように、運動エネルギーを電気エネルギーに変えることができる。そして、ナノレベルの酸化亜鉛は、振動程度の運動エネルギーからも効率的に電気エネルギーを生むことができる。

 実験では、スマートフォンの「Lumia 925」と同じ程度の面積のフィルム状のデバイスを作製し、周辺の雑音によって与えられる振動だけで、5Vの電圧を生じさせることに成功した。

 これが製品化されると、充電作業の不要なスマートフォンが実現するわけだが、同チームは今回、ナノレベル酸化亜鉛の塗布を量産規模で行なうプロセスも開発し、高価な金の代わりに安価なアルミホイルを電極の接点に用いるといった試行も取り入れている。

酸化亜鉛を塗布しているところ

(若杉 紀彦)