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キングジム、スキャンした名刺をダイヤルでめくれるデバイス「メックル」
(2014/6/24 16:24)
株式会社キングジムは、名刺をスキャンして、ダイヤル操作で登録や検索ができるデジタル名刺ホルダー「メックル(MEQRU)」を7月11日に発売する。価格は27,000円(税別)。
名刺サイズの紙をスキャンできるカラースキャナとデータの保存用メモリ、閲覧ができる480×320ドット表示対応3.5型液晶ディスプレイが一体となったデバイス。
名刺を本体に差し込むと自動的に認識され、ダイヤル中央のEnterボタンでスキャンを開始。スキャンはアニメーション表示とともに行なわれ、JPEGデータとして本体内に保存。その後ダイヤルの上下で五十音順やアルファベット順に登録位置を選択し、さらに会社名や氏名などを自由にグループ化、お気に入り(よく使う項目)に登録するかどうかを選ぶだけという、シンプルな操作/管理体系となっている。
検索もシンプルで、すべての名刺をダイヤルでめくるだけの検索モードから、Searchボタンを押すと五十音順/アルファベット順のインデックスから選択するモードに移行。さらに押すとグループ、登録日順、お気に入りの順番で検索できる。
つまり、データOCRによる文字認識や、タッチパネルによる文字入力のようなことは一切行なわず、あえてアナログのような操作体系を残したデジタルデバイスと言える。同社開発本部 商品開発部 開発二課リーダーの東山慎司氏によると、アメリカの名刺ホルダー「ローロデックス」からヒントを得て開発したという。
センサーはカラーCISで、解像度は300dpi。データは片面で約5,000枚/両面で約2,500枚保存可能(片面あたり29KBで計算)。PCとUSB 2.0で接続し、同社の名刺管理ソフト「DA-1」でインデックスやグルーピング付けを行なうこともできる。また、DA-1を通して、同日に発表された「ビズレージ」、および2010年に発売した「ピットレック」とデータの連携も可能(ドラッグ&ドロップによるコピーや移動)。DA-1の対応OSはWindows Vista/7/8/8.1、およびMac OS X 10.7以降。
本体サイズは約139×125×129mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約325g。電源はACアダプタを利用する。
6月24日に開催されたメックルとビズレージの製品発表会では、同社 代表取締役社長 宮本彰氏が挨拶。「2010年にピットレックを投入し、大きな反響を得た。ピットレックの顧客のフィードバックを元に、メックルとビズレージを開発した。我々は毎月のように新製品を発売しているが、製品発表会を行なうのは珍しい。それだけ今回の製品には自信があり、満を持して発表できるものだと確信している」と語った。
また、新製品投入の背景について 同社 開発本部 副本部長の亀田登信氏は、「ピットレックはこれまでに10万台を出荷されるヒット商品となった。ビジネスユーザーの声を調査していくと、デジタルで名刺を管理している方は全体の10%に過ぎない。ところが未だアナログで管理しているユーザーの3人に1人は、デジタル化したいニーズがある。クラウドサービスや名刺管理ソフトが充実している中で、デジタル化の妨げとなっているのは、クラウドサービスに個人情報を預ける不安や、社内規制への対応、PCやスマートフォンの操作スキル、ユーザーのニーズに即していない管理にある」と指摘した。
その点、今回キングジムはピットレックに加え、メックル、ビズレージを投入することで、“持ち運ぶ”(ピットレック)、“整理する”(メックル)、“保管する”(ビズレージ)という3つのニーズに応えたラインナップを揃えられた。さらに、データもローカルや社内ネットワークに留めることができ、データにアクセスできない、データが流出する、操作しにくいといった不安を解消できるとした。