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新しい「GALAXY S 4」は人生のコンパニオン
~Samsungがニューヨークで発表イベント開催
(2013/3/15 13:59)
Samsung Electronicsは米国東部夏時間3月14日19時、米ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールにおいて、イベント「UNPACKED」を開催、同社のフラッグシップスマートフォン「GALAXY S」シリーズの最新機種として「GALAXY S 4」を発表した。4月の終わりから出荷を開始するという。
マンハッタンの中心でLifeを叫ぶ
発表会場となったラジオシティミュージックホールには、18時開場、19時開演というスケジュールにもかかわらず、16時過ぎには結構な人数の行列ができていて、17時半頃には、エントランスの入り口は大混乱に近い状況だった。気温は4~5℃で風もある寒い中の行列に、htcのキャンペーンガールがスナックや飲み物を振る舞いに登場といった一幕もあり、各国のキャリア関係者やメディアのみを対象とした発表会であるにもかかわらず、この騒ぎとなるのは、今のSamsungの勢いが感じられ期待をあおる。
その大混乱の中でも、発表会は定刻通りにスタートした。冒頭に登壇した同社IT and Mobile Communication DivisionのPresident and Head JK・シン氏は、タッチスクリーンを持ちながらタッチレスのインターフェイスを持つことを強くアピールし、新しい機能の数々を1つ1つ紹介していった。
最初に紹介されたのはカメラ機能だ。「DUAL CAMERA」は、インカメラ、アウトカメラの両方で同時に撮影できるという。また、「SMART SCROLL」や「SMART PAUSE」、「AIR VIEW」では、視線やスクリーンに触らないジェスチャーで各種のスクロール操作ができる。スマートフォンに、タッチに加わる新しいUIを持ち込もうというわけだ。
端末をグループ化し、ピアツーピアでコンテンツをシェアできる「GROUP PLAY」や、オプションで用意される各種のセンサーの値をまとめて管理できる「S HEALTH」、端末を遊びと仕事に分離してセキュリティを確保する「Knox」、ホームサーバーとの間でデータを同期する「Home Sync」などが、次々に紹介され、“Life companion”と位置付けられる同機の斬新なコンセプトがアピールされていた。こうした点を見ても、Samsungが今、単なる端末のベンダーではなく、プラットフォームベンダーへの方向性を模索していることがよくわかる。
よりスリムになって、より軽くなり、さらにソリッドになった新Galaxyは、全世界で155カ国327のキャリアから発売されるという。
LTEについては、FD-LTEに加えて、TD-LTEにも対応、世界各国でのローミングが想定されている。これは、中国市場でのLTE普及を視野に入れたものだともいえそうだ。
リードデバイスからSamsungデバイスへ
JK・シン氏のプレゼンに続き、Director of Product Marketing、Samsung Telecommunications AmericaのRyan Bidan氏によって、ミュージカル仕立ての寸劇ステージで各種の機能が紹介されていった。ステージ下には楽団も用意された本格的なステージだ。
5型(4.99インチ)フルHD、Super AMOLED液晶は441ppiを誇り、ボディ色は「Black Mist」と「White Frost」が用意される。また、Wi-Fiは、IEEE 802.11acにも対応、Bluetoothは新たに4.0に対応した。アウトカメラは1,300万画素、インカメラは200万画素で同時撮影が可能だ。一般的なセンサーに加えて、温度、湿度、IRジェスチャセンサーを装備する。バッテリが交換可能な点も声高にアピールされ、その容量は2,600mAとなっている。
なお、OSはAndroid 4.2.2だ。すでに知られているように、Googleは、5月に開催される開発者向けカンファレンスGoogle I/OでKey Lime PieことAndroid 5.0を発表するようだ。SamsungはAndroidの開発リファレンス機であるリードデバイスを供給するベンダーとしても有名だったが、Galaxyシリーズは、リードデバイスの座から離れ、独自の道を歩み始めている。そんな経緯の中で発表された最新鋭のGalaxyは、標準OSとしてのAndroidとSamsung独自のプラットフォームの両立を、すれすれのところで果たそうとしているように見えた。
発表会終了後は、ステージ前のスペースが、タッチ&トライの会場に早変わりし、実際に実機を手にとって体験することができた。持った感じでは、特に薄さと軽さが実感でき、Galaxy S3の後継機として、大きな進化を遂げていることがわかった。なお、ホームボタンは物理ボタンとして存在し、その左がタッチ式のメニューボタン、右が戻るボタンである点は、頑ななまでに以前と同じだ。つまり、メニューボタンと戻るボタンの位置関係は、多くのAndroid機と逆なのだ。
なお、会場から少し離れたタイムズスクエアでは、一般向けのタッチアンドトライのステージが組まれ、こちらも夜遅く、気温もさらに下がってきている時間にもかかわらず、順番待ちの長蛇の列ができ、Galaxyシリーズへの関心の高さを示していた。