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販売店協会の新春セミナーでPCメーカー7社が方針説明

~レノボ、東芝などが今後の新製品投入に言及

業界関係者が集まったJCSSA新春特別セミナー
1月22日 開催

 一般社団法人日本コンピュータシステム販売店協会は22日、東京・日比谷の帝国ホテルで、「平成25年新春セミナー・賀詞交歓会」を開催。約400人の業界関係者が参加した。

 同セミナーでは、PCメーカー7社による「2013年 わが社の製品・販売戦略」と題したプレゼンテーションが行なわれ、レノボ・ジャパン、NEC、日本ヒューレット・パッカード、富士通、日立製作所、ソニーマーケティング、東芝の7社の幹部から、2013年の方針などが明らかにされた。

賀詞交歓会で挨拶する販売店協会の大塚裕司社長
乾杯の音頭をとる一般社団法人コンピュータソフトウェア協会の和田成史会長
レノボ・ジャパン 渡辺朱美社長

 レノボ・ジャパンの渡辺朱美社長は、「2013年は革新性とデザイン、そして企業向けタブレットにフォーカスを当てていく。ThinkPadの流れを汲むThinkPad Tablet 2は予想を遙かに越える受注を得ており、さらに、ディスプレイ部が外れるThinkPad X1 Helixは、日本で近々発表する予定。コンシューマ製品では、CESでも高い評価を得て、44個の賞を受賞した。中でも、テーブル形状のIdeaCentre Horizonは高い評価を得ている」などとした。

 加えて、「レノボは、NECの買収以外にも、欧州のMEDION、ブラジルのCCEといった買収を行なってきたが、いずれも地域に密着した形でPC事業を行なえる体制を確立するためのものであり、また、EMCとの提携などにより、ビジネス領域においても、将来を見据えた投資を行なっている」と語った。

 2013年については、「革新的で魅力的な製品の投入、保守サービスの強化、自社工場への投資、パートナービジネスの強化の4点に取り組んでいく。7月にはパートナー戦略を大きく変更していく予定である」などと語った。

レノボ・ジャパンのプレゼンテーション
NEC 國尾武光執行役員常務

 NECの國尾武光執行役員常務は、「今は、ライフスタイル、ワークスタイルが大きく変わるタイミングに入っている。NECは、クラウドに最適なスマートデバイスを提供することに、引き続き力を注いでいきたい。NECは、4型のタブレットから、500型のディスプレイまでをラインアップし、WindowsやAndroidも用意している。とくに強調したいのが軽量化である。MEDIAS TAB UL、UltraLiteタイプVG、Life Touch L、Windows 8を搭載したVersa ProタイプVZなどが代表的な製品。2013年はさらに軽量化にチャレンジしていきたい」と語った。

NECのプレゼンテーション
日本ヒューレット・パッカード 那須一則執行役員

 日本ヒューレット・パッカード プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括パートナー営業統括本部第二営業本部長の那須一則執行役員は、「昨年(2012年)11月の決算発表では大幅な赤字を発表し、心配をかけたが、売上高の3割を占めるPC事業では5%の営業利益率を確保しており、本業は大丈夫である」と前置き。

 2013年については「新製品で成長する1年に位置付けており、とくにビジネス向けタブレットで勝負をかけていきたい。この市場は前年比34%の大きな成長が見込まれるが、この市場に対して、まずはHP ElitePad 900を投入する。これは、私が自分で持って歩きたいと思った最初の自社製品」と会場を沸かせたあと、「利便性、拡張性、機動性、専門性を高めるためのソリューション製品をHP ElitePad 900に用意している」と語った。

 さらに、データセンターの運用管理ソフトウェアであるProject Voyagerや、1ラックに2,880台のサーバーを搭載できるMoonShot初の量産機となるGeminiなどにも触れたほか、日本ヒューレット・パッカードが今年50周年を迎えることにも言及した。

日本ヒューレット・パッカードのプレゼンテーション
富士通 斎藤邦彰執行役員

 富士通 ユビキタスビジネス戦略本部長兼パーソナルシテスムズ本部長の斎藤邦彰執行役員は、「Human Centric Intelligence Societyの実現が富士通の使命。それに向けて、コトを重視した取り組みに力を注いでいる。だが、コトをかなえるにはモノが必要。磨きをかけたハードウェアとインフラを活かした匠と疾風の取り組みにより、MADE IN JAPANの強みを活かしたい」とし、Windows 8を搭載した防水/防塵タブレットであるARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jや、ディスプレイを取り外して、タブレットとしても利用できるSTYLISTICS Q702FなどをMADE IN JAPANならではの製品として紹介した。

 「2013年にフォーカスするのはタブレット。用途は、ハンディターミナルなどの既存ITや専用端末からの置き換えと、紙媒体やカタログなどを利用するためのIT未活用分野への適用という2つの領域がある。ユビキタスフロント機器として、さらに注目が集まるだろう。数多くのタブレットやハイブリッド機器の開発に力を注ぐ」とした。

富士通のプレゼンテーション
日立製作所 佐久間嘉一郎執行役常務

 日立製作所 情報・通信システムグループ 情報・通信システム社 プラットフォーム部門CEOの佐久間嘉一郎執行役常務は、「今年も、クラウド市場の広がりを支えるプラットフォーム製品を提供するなど、クラウド、スマート、ビッグデータを3つの柱に取り組んでいく」とし、自動的にデータ管理を行なうCloud on-Rampや、秦野市で行なっている自然再生プロジェクト「ITエコ実験村」の取り組みを紹介した。

日立製作所のプレゼンテーション
ソニーマーケティング 鈴木功二取締役執行役員専務

 ソニーマーケティングの鈴木功二取締役執行役員専務は、「2007年にビジネスVAIOを発売して以来、ようやくその認知率が7割に達した。2013年においては、AndroidタブレットのXperia Tabと、Windows 8によるVAIOの一体戦略を進めたい」としながら、VAIO Duo 11のソニー生命への導入事例を紹介。「保険、不動産、車、旅行などのコンサルティング型営業向けPCとして提案していきたい」としたほか、VAIO Tap 20では、「オフィスでのプレゼンテーションや、教育分野でのグループ学習での利用を期待したい」としている。また、Xperia Tabを、ソニーマーケティング自らが導入。販売店との商談においてこれを活用している例を紹介。

 こうした実績をもとにして、「アプリケーション、ソリューション、サービスを提供していく」としたほか、「ソニーは、Android、Windows 8のほか、タッチ対応モデル、非対応モデルのように幅広い製品を用意している。さらにBCP(事業継続計画)対応という点で業務用蓄電池もラインナップしている」などとした。

ソニーマーケティングのプレゼンテーション
東芝 深串方彦執行役専務

 東芝 デジタルプロダクツ&サービス社社長 深串方彦執行役専務は、「今年は巳年であり、東芝も蛇のように脱皮して、新たな業界を作っていきたい。一昨年(2011年)は、PC事業とTV事業を一体化し、2012年7月にはBtoB専門組織を作り、東芝情報機器を通じてパートナーを支援する体制を整えるというように脱皮してきた」と前置きし、「2012年は、PCのBtoB事業は2桁伸張を達成できた。Ultrabookは市場全体で約4倍の成長となっており、東芝はこの分野で一定のシェアを獲得した。タブレット/フラット/ノートPCという3つの使い方ができるdynabook R822のほか、国内初の有機EL搭載のREGZA Tablet AT570の発売、HDD+NANDメモリを組み合わせたHybrid DriveをPCに搭載するなど、業界初の製品を相次ぎ投入している」と説明。

 「2013年も引き続き、タブレットやUltrabookにおいて、東芝ならではの差別化製品を投入していく。中でも、長年研究してきた手書き技術により、これまでにない使いやすさを提案した製品を今年春に投入する」とした。また、ディスプレイ部を取り外し可能なデタッチャブルタイプのUltrabookを市場投入する計画も明らかにした。

 また、ビジネス用途に向けには、「BIOSを自社開発している強みを活かして、運用管理の効率化、トータルコスト削減など、新たなソリューションを提案したい」とした。

東芝のプレゼンテーション

 一方、新春セミナーでは、女子バレーボール日本代表チームアナリストである渡辺啓太氏による「女子バレーのオリンピックメダルに向けた情報戦略~スポーツにITをいかに活用していくか~」と題した講演が行なわれ、女子バレーボールチームの監督をはじめとするスタッフや選手全員にiPadを配布し、情報戦略に活用している事例などを紹介した。

(大河原 克行)