auのCMキャラクター、剛力彩芽さん |
KDDI株式会社、沖縄セルラー電話株式会社は都内で新製品発表会を開催し、2012年夏モデルとなるスマートフォンなどの携帯電話の新機種や、定額制の動画配信サービス「ビデオパス」、定額制の音楽配信サービス「うたパス」などの新サービスの提供などについて発表を行なった。
2012年夏モデルとして投入される製品は、スマートフォン6機種、フィーチャーフォン3機種、Androidタブレット1機種の全10機種。スマートフォンは、発表済みの「HTC J ISW13HT」以外に、NVIDIAのクアッドコアプロセッサ「Tegra 3」搭載スマートフォン「ARROWS Z ISW13F」、FeliCaとNFCを同時搭載する世界初のスマートフォン「AQUOS PHONE ISW16SH」など5機種を新たに発表。OSは全機種がAndroid 4.0を採用し、WiMAX対応モデルは4機種となる。また、昨日(14日)発表された東芝製Androidタブレット「REGZA Tablet AT500」の発売も発表された。
●AQUOS PHONE SERIE ISW16SH
「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」はFeliCaとNFCを同時搭載する世界初のスマートフォン。これにより、おサイフケータイに加え、NFC対応デバイス間で高速データ通信を行なう「Androidビーム」をサポート。プロセッサはQualcommのデュアルコアプロセッサ「Snapdragon S4 MSM8660A」(1.50GHz)を採用する。
また、大容量1,800mAhバッテリを搭載するとともに、画面消灯時のアプリケーションの動作制御や、低消費電力モードで動作する「省エネWi-Fi」などにより、長時間の駆動が可能としている。ちなみに、カタログ値では連続待受時間は約360時間、連続通話時間は約510分。ディスプレイには画素設計の再配置と最適化により透過率を向上させた、1,280×720ドット表示対応の4.6型CGScilicom液晶を採用し、表示品質は非常に鮮やかだ。
UIは、シャープとFlog Design Inc.が共同開発した新UI「Feel UI」を搭載。ウィジェット、アプリ、ショートカットのシンプルな3画面構成となっており、使いやすさを追求した。
カメラは裏面に約1,211万画素の裏面照射CMOSメインカメラと、液晶面に約31万画素CMOSのサブカメラを搭載。RAMは1GB、ROMは16GBで、最大64GBのmicroSDXCカードにも対応。無線機能は、3G(WIN HIGH SPEED)とWiMAX、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 3.0を搭載し、テザリングは最大5台まで対応。本体サイズは約66×11.2~11.6×126mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約136g。
本体正面 | 新UI「Feel UI」は、アプリ、ウィジェット、ショートカットの3画面を切り替えるシンプルな構成 | 左側面 |
上部 | 右側面 | 下部 |
MicroUSB/MHL端子 | 背面 |
●ARROWS Z ISW13F
「ARROWS Z ISW13F」はNVIDIAのクアッドコアプロセッサ「Tegra 3」(1.50GHz)を採用するスマートフォン。昨年発売された、ARROWS Z ISW11Fの後継モデル。従来同様、おサイフケータイやワンセグ、防水・防塵など、国内機能は全て網羅しつつ、新たに裏面に「スマート指紋センサー」を搭載し、セキュリティ性を向上させた。この指紋センサーは押し込み型のスイッチも兼ねており、指紋センサーを押し込むことでスタンバイから復帰し、指紋センサー上で指をスライドさせることでロック画面の解除が可能となっている。
また、1,800mAhの大容量バッテリと省電力機能の搭載で、従来モデルよりも駆動時間の延長を実現したとする(連続待受時間および連続通話時間は未定)。従来は別売りだった卓上ホルダとACアダプタが同梱となる点も嬉しい。同梱のACアダプタは5V/1.5A出力に対応し、卓上ホルダ経由では従来よりも高速な充電が可能。
ディスプレイは1,280×720ドット表示対応の4.6型TFT液晶に大型化。カメラは裏面に約1,310万画素の「Exmor R for mobile」と、液晶面に約130万画素のサブカメラを搭載。RAMは1GB、ROMは16GBで、最大32GBのmicroSDHCカードも利用可能。無線機能は、3G(WIN HIGH SPEED)とWiMAX、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 4.0を搭載し、テザリングは最大8台まで対応。本体サイズは約67×10.6×135mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約145g。
本体正面 | 左側面 | 上部 |
ヘッドフォン端子とMicroUSB/MHL端子 | 右側面 | 下部 |
背面 | 裏面カメラ下部にスマート指紋センサーを配置。押し込み型のスイッチとなっている | カラバリはGlossy RedとCool Blackの2色 |
●URBANO PROGRESSO KYY04
「URBANO PROGRESSO KYY04」はシックで上質なデザインを採用し、アクティブエルダー層と呼ばれる中高年齢層をメインターゲットとする京セラ製のスマートフォン。受話用のスピーカーを搭載せず、画面全体を振動させることで聞きやすさを追求した「スマートソニックレシーバー」を搭載する点が最大の特徴。CEATEC JAPAN 2011で「新聴覚スマートフォン」として展示された技術をベースとするもので、液晶画面のどこを耳に当てても相手の声がクリアに聞こえる上に、推奨はされないが本体裏面を耳に当てても相手の声が聞こえる。
また、800×480ドット表示対応の高コントラスト有機ELパネル「ルミナスディスプレー」を採用することで、見やすさも追求。スペックは「DIGNO ISW11K」に近い。プロセッサは、Qualcomm製のシングルコアプロセッサ「Snapdragon MSM8655」(1.40GHz)だが、機能面は防水・防塵、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線などいわゆる全部入り。カメラは裏面に約808万画素CMOSのメインカメラと、液晶面に約32万画素CMOSのサブカメラを搭載。RAMは1GB、ROMは4GBで、最大32GBのmicroSDHCカードも利用可能。
無線機能は、3G(WIN HIGH SPEED)とWiMAX、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 3.0を搭載し、テザリングは最大8台まで対応。バッテリ容量は1,500mAhで、連続待受時間は約380時間、連続通話時間は約540分。本体サイズは約64×10.8~11.3×125mm(同)、重量は約139g。
本体正面 | 液晶面全体を振動させて受話音を伝える「スマートソニックレシーバー」搭載のため、画面上部の受話スピーカーが存在しない | 左側面 |
上部 | 右側面 | 下部 |
裏面 | 専用の卓上ホルダーを同梱 | カラバリは、左からオレンジ、シルバー、ピンクの3色 |
●AQUOS PHONE SL IS15SH
「AQUOS PHONE SL IS15SH」本体を縦にスライドさせるとテンキーが現れ、フィーチャーフォンライクな使い方が可能なスマートフォン。IS14SHの後継モデル。スライド量を拡大することでキーサイズを約1.2倍に大型化するとともに、独立キー形状を採用することで操作性を向上。簡易留守録(伝言メモ)や、着信時などに本体を裏返すだけで着信音やバイブを一時停止できる「クイックサイレント」など便利な機能も搭載。
プロセッサは、Qualcomm製のシングルコアプロセッサ「Snapdragon MSM8655」(1.40GHz)を採用。ディスプレイは960×540ドット表示対応の3.7型NewモバイルASV液晶を搭載。機能面は防水・防塵、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線などいわゆる全部入り。カメラは裏面に約804万画素CMOSのメインカメラと、液晶面に約31万画素CMOSのサブカメラを搭載。RAMは1GB、ROMは4GBで、最大32GBのmicroSDHCカードも利用可能。
無線機能は、3G(WIN HIGH SPEED)、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 3.0を搭載。WiMAXを搭載しないためテザリングは非対応。バッテリ容量は1,430mAhで、連続待受時間は約430時間、連続通話時間は約550分。本体サイズは約58×14.9×121mm(同)、重量は約152g。
本体正面 | キーボードを開いた状態 | 左側面 |
上部 | 右側面 | 下部 |
右側面にMicroUSB端子を配置 | 裏面 | 従来モデルよりキーが大きくなり操作性が向上 |
専用UIとボタンでの操作により、フィーチャーフォンと同等の使い勝手を実現 | カラバリは、左からカシスピンク、ミントブルー、ダリアブラックの3色 |
●AQUOS PHONE CL IS17SH
「AQUOS PHONE CL IS17SH」は960×540ドット表示対応の4.2型液晶と、常時表示が可能な2.1型メモリ液晶を搭載するエントリー向けスマートフォン。メモリ液晶はメインの液晶が消灯している状態でもさまざまな情報が表示され、非常に便利だ。
エントリー向けとはいえ機能面は充実しており、防水・防塵、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線などの国内機能は全て網羅している。また、ISW16SHと同じ新UI「Feel UI」も採用。プロセッサは、Qualcomm製のシングルコアプロセッサ「Snapdragon MSM8655」(1.40GHz)。カメラは裏面に約804万画素CMOSのメインカメラのみ搭載。RAMは1GB、ROMは4GBで、最大32GBのmicroSDHCカードが利用可能。
無線機能は、3G(WIN HIGH SPEED)、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 3.0を搭載。WiMAXを搭載しないためテザリングは非対応。バッテリ容量は1,460mAh(連続待受時間および連続通話時間は未定)。本体サイズは約65×8.9~10.9×132mm(同)、重量は約132g。
本体正面 | 左側面 | 上部 |
右側面 | 下部 |
裏面 | カラバリは、左からダークネイビー、ピュアホワイト、コーラルピンクの3色 |
●REGZA Tablet AT500
「REGZA Tablet AT500」は10.1型液晶搭載の東芝製Androidタブレット。1,280×800ドット表示対応の10.1型液晶を搭載しつつ、約599gと軽量ボディを実現。また、厚さも約9mmと1cmを切る。
プロセッサはNVDIAのクアッドコアプロセッサ「Tegra 3」(1.30GHz)を搭載。東芝製のTV/レコーダ「REGZA」シリーズと連携し、テレビ番組のライブ視聴や録画番組の視聴、録画番組の持ち出しなどが行なえる独自アプリ「レグザリンク・シェア」もプリインストール。RAMは1GB、ROMは16GB。
無線機能はIEEE 802.11 b/g/n対応の無線LANとBluetooth 3.0を搭載。3Gは非搭載で、野外ではテザリング対応スマートフォンやau Wi-Fi SPOTを利用したデータ通信が行なえる。OSはAndroid 4.0。本体サイズは約260.6×178.9×9mm(同)、重量は約590g。
本体正面 | 左側面 | 上部 |
右側面 | 下部 | 裏面 |
●スマートパスポート構想はSTEP2に移行
KDDI株式会社代表取締役社長、田中孝司氏 |
発表会では、KDDI株式会社代表取締役社長の田中孝司氏により、KDDIが掲げる新戦略「スマートパスポート構想」のもと、3月1日より開始された割引サービス「auスマートバリュー」およびアプリ取り放題サービス「auスマートパス」の動向や、新規サービスや今後の展開などについての説明が行なわれた。
まず、auスマートバリューおよびauスマートパスは、3月1日のサービス開始から約2カ月半で100万契約を突破するとともに、auスマートバリューを利用した新規加入者のうち64.8%がMNPでの加入であるとし、auスマートバリューが新規加入者の増加に大きく寄与していると説明。auスマートパスも、同じく3月1日のサービス開始から約2カ月で100万契約を突破。また、アプリの平均ダウンロード数が4倍以上に増加するとともに、アプリの提携パートナーからも好評を得ているとし、「初動としては非常にいい形で進んできている」と田中社長は語った。
その上で、スマートパスポート構想はSTEP2に移行するとし、まず、auスマートパスで利用できるアプリを充実させるとともに、スマートフォンだけでなくタブレットでも利用できるように拡張。そして、“定額・楽しみ放題”、”マルチデバイス”、”ソーシャル”の3つをキーに、au idを利用してマルチデバイスで音楽および映画を楽しめる新サービス、「ビデオパス」と「うたパス」について、KDDI株式会社執行役員専務新規事業統括本部長の高橋誠氏により発表された。
ビデオパスは、月額590円の定額で、国内及び海外の映画、ドラマ、アニメなどの人気作品(当初は約3,000タイトル)が見放題、かつレンタルDVDと同じタイミングでリリースされる最新作や話題作を月1本見られる、オンデマンド型の映像サービス。一部の作品は無料で視聴できるとともに、auスマートパス会員は見放題プランを2週間無料で体験できる。ビデオパスは5月15日よりサービス開始。対象となるデバイスは、スマートフォンだけでなく、タブレット、PC、テレビなどでも利用可能。ただし、iPhone(iOS)での利用は、今後調整が必要とした。
うたパスは、月額315円の定額で、さまざまなジャンルの邦楽・洋楽が聴き放題となる音楽配信サービス。ジャンル別やシーン別に50のセレクトチャンネルが用意されるとともに、気に入った曲にチェックを入れていくことで、お気に入りの履歴から趣向が合う楽曲を自動的にピックアップし配信されるユーザー専用チャンネル「マイチャンネル」が作成される。また、登録した友人と楽曲をシェアしたり、チャットを行なうソーシャル的な機能も用意。提供される楽曲数は、LISMO unlimitedと同等以上を用意する方向で調整中とした。サービスは6月中旬頃より開始予定で、auスマートパス会員は8月31日まで無料で利用できる。
auスマートバリューは開始2カ月半で100万契約を突破 | auスマートバリューを使った新規加入の64.8%がMNPでの加入 | auスマートパスも開始約2カ月で100万契約を突破 |
ここからスマートパスポート構想はSTEP2へと移行 | auスマートパスは、アプリの充実に加えタブレットでも利用可能に | KDDI株式会社執行役員専務新規事業統括本部長、高橋誠氏 |
月額590円で映画やドラマ、アニメが見放題となる「ビデオパス」 | さまざまなコンテンツホルダとの提携で、当初3,000タイトルを超えるラインナップを用意 |
月額315円で聴き放題となる音楽配信サービス「うたパス」 | auスマートパスポート、ビデオパス、うたパスとコンテンツパスポートが充実 |
●LTEは提供を前倒し、垂直立ち上げ
次に、ネットワークに関する取り組みについて説明。まず3Gでは、4月10日より導入が開始されたEVDO Advanceについて、全国展開には3カ月ほどかかると田中氏は語った。また、電波調査サービスについて、これまで申し込みから連絡まで48時間かかっていたのを24時間に短縮する「電波サポート24」を6月4日より開始するとした。そして、LTEサービス「4G LTE」の提供を、当初の計画であった2012年12月よりも前倒しするとともに、年度末までに実人口カバー率約96%と、LTEサービスを一気に立ち上げることも発表。さらに、4G LTEサービスでは、800MHz帯、1.5GHz帯に加え、2GHz帯をカバーすることも合わせて発表された。
Wi-Fiについては、au Wi-Fi SPOTの設置が3月29日に10万スポットを突破するとともに、家庭向けにWi-Fiルータ「HOME SPOT CUBE」を無償貸与(無償は5月31日までに契約したユーザー限定)するといった施策により、Wi-Fiへのオフロードがかなり進んでいると説明。また、今後は品質の改善のため5GHz帯への対応を推し進めるとともに、今年の夏を目途にWi-Fi接続シーケンスの最適化やau Wi-Fi接続ツールの改善により接続時間を従来の半分以下に短縮するとともに、スマートフォン側でのWi-Fi ON時の消費電流を改善することで、バッテリーの持ち時間を高める仕組みの導入も開始するとした。
発表会には、auのCMキャラクターである伊勢谷友介さんと剛力彩芽さんも登場。実際にビデオパスを利用した映像再生を体験し、伊勢谷さんは「スマートフォンで好きな場所で映像が楽しめるので、自由度が高まりますね」とコメント。剛力さんは「新作が見られるのは嬉しいですね。テレビや映画館だけじゃなくていろいろな場所で見られるとなると、私たちも芝居の仕事をがんばらないと、と思いました」と、期待とともに自らに気合いを込めるようなコメントを行なった。
(2012年 5月 15日)
[Reported by 平澤 寿康]