IDF 2010 Beijingが、中国北京で明日より開催
IntelがOEMメーカーや開発者向けに開催する「IDF」(Intel Developer Forum)が、4月13日~14日の2日間にわたり、中華人民共和国北京市にある中国国家会議センターにおいて開催される。中国で開催されるIDFとして、2007年から数えて4回目となるが、昨年北京で行なわれた会は国際イベントから地方ルイベントとして格下げになってしまったため、国際的IDFとしては3回目となる。
Intelは国際的な規模のIDFを春、秋の2回開催しており、今回のIDF 2010 Beijingは春のIDFにあたる。秋の9月13日~15日にサンフランシスコで開催される予定の秋IDFと並び、Intelが自社の戦略を説明する重要なイベントとなる。
●これからの成長事業となる組み込み向けに関する情報を積極的に発信現在IT業界は大きな転換期を迎えつつある。これまでITと言えば、主にPCや携帯電話といった専用機器が端末として想定されていたが、現在進んでいるのは、あらゆる機器のIT化が進行しているという事態だ。
例えばTVのような機器もIT化が進行中だし、さらには街頭にある看板、自動車などこれまでITとは無縁だったような機器も含めてIT化が進行している。こうした機器にIT機能を組み込むことを「組み込み」(Embedded)と呼んでいるが、現在この組み込みが非常に熱いことになっているのだ。Intelはインターネットに接続して、データのやりとりができる機器が2015年までに150億台に達すると予想しており、そうした時代に合わせた機器の設計をOEMメーカーや開発者などに呼びかけている。
そのような同社の戦略を裏付けるように、今回のIDFでも組み込み向けとみられる基調講演やテクニカルトラック(技術的な詳細を解説する説明会)が多数用意されている。初日の2つ目の基調講演はIntel副社長兼ソフトウェア・サービス事業本部 事業本部長のRenee James氏によるソフトウェアに関するもので、2日目最初の基調講演は副社長兼Intelアーキテクチャ事業本部 組み込み・通信事業部 事業部長のDoug Davis氏による組み込み向けに関するものとなっている。
Intelは2008年に投入したAtomプロセッサで、こうした組み込み向け市場に対する働きかけを積極的に行なっており、そうした製品を設計/製造する拠点として特に中国には力を入れており、OEMメーカーや開発者に向けた情報を発信していくものと考えられている。
●PC向けとしてはSandy bridge、Moorestownなどの新情報などが公開か一方、Intelの本業と言ってもよいPCやサーバー向けのプロセッサの話題ももちろん取り上げられる。
PC向けのプロセッサの話題について触れるのは、上級副社長兼Intelアーキテクチャ事業本部 事業本部長のDavid Perlmutter氏で、PC、サーバー、TV、携帯電話向けに利用されるx86プロセッサに関する基調講演を初日の最初に行なう。この中で、Perlmutter氏はIntelが現在開発を続けている、GPUをネイティブに統合したプロセッサの「Sandy Bridge」(サンディブリッジ、開発コードネーム)や、「Moorestown」(ムーアズタウン、同)などに関する新情報などを公開する見通しだ。なお、Sandy BridgeやMoorestownに関しては、テクニカルトラックなどでもさらに情報が公開される可能性があり、それらも要注目といえる。
本誌では、本日午後に行なわれる報道関係者向けの説明会、基調講演やテクニカルトラックなどの様子を逐次レポートしていく予定だ。
中国国家会議センターがある一帯は、北京オリンピックのメイン会場として利用された北京国家体育場(通称:鳥の巣)があるなどイベントを開催する目的で作られたエリアだ | 撮影したのが前々日(11日)の午前中だったためか、会場の設営準備はまだあまりできていないようだった。なお、日曜日の北京の天候は雨模様だが、週明けには晴れる予報 | IDFの看板はすでに内部に設置されていた。 |
(2010年 4月 12日)
[Reported by 笠原 一輝]