LG、3D Vision対応フルHD液晶「W2363D」の説明会を開催

W2363D

4月8日 開催



 株式会社LG Electronics Japanは8日、7日に発表したNVIDIA 3D Vision対応のフルHD液晶ディスプレイ「W2363D」の説明会を開催。同社ブランド・マネージャーの宇佐美夕佳氏が競合製品に対する優位点などを説明した。

 W2363Dは、120Hz入出力に対応し、NVIDIAの3D Visionと組み合わせることでゲームや映像を立体視で楽しむことができる。基本仕様としては、最大表示解像度が1,920×1,080ドット、最大表示色が約1,670万色、応答速度が5ms(中間色は3ms)、輝度が400cd/平方m、コントラスト比が1,000:1(DFC機能でダイナミックコントラスト比は70,000:1)、視野角が上下160度/左右170度。インターフェイスは、DVI-DとHDMI×2。店頭予想価格は4万円前後。

 宇佐美氏は競合である日本エイサーの「GD245HQ」、デル(Alienware)の「AW2310」、日本サムスンの「2233RZ」と、W2363Dの仕様を比較し、同社製品の優れている点を列挙した。

LG Electronics Japan宇佐美夕佳氏3D Visionに対応する競合製品との仕様比較クロストークなども含む詳細な比較

 その1つは輝度が高い点。日本サムスンと日本エイサーの製品は300cd/平方m。3D時にはこれがさらに33cd/平方mに落ちるが、LG、デル製品では44cd/平方mを確保するので、より鮮明な画像が得られる。

 普段、表立って仕様には書かれないが、LG製品はデュアルゲートフィーディングとなる。これは格子状に並んだセルに対して両端にドライバICを置き印加する。これは、シングルゲートフィーディングである他社製品よりも、セルの開閉を高速かつ安定して行なうことができるという。また、配線に銅を使うことで、アルミを使う一般的製品よりも、線幅を狭くして開口率を向上させた。

 こういったことから、クロストークも大幅に低減させている。クロストークとは3D視聴時に、右目の映像と左目の映像が重なる割合のことで、小さいほど優秀となる。日本サムスン製品の4%、日本エイサー製品の5.6%に対し、LG製品は1.9%と1/2~1/3に抑えている。

 この点については、会場に実機が展示されていたので実際に確認してみた。同じソースを表示している競合製品が横にあったわけではないし、表示するソースも違うため、過去に見た際の印象との比較にはなってしまうが、確かにLG製品ではクロストークを感じにくかった。

 さらにLG製品は、データプロセシングの周波数が、日本エイサー製品が120Hz、日本サムスン製品が154Hzであるのに対し、LG製品は172Hzと高いのも特徴。これにより表示が120Hzで切り替わる間に、より多くのデータを処理でき、残像感やちらつきの少ない安定した表示を行なうことが可能という。

 このほか、W2363Dは、既存のゲーマー向け液晶ディスプレイ「W2363V」と同じく、高画質化などの処理をスルーして、表示遅延を減らす「スルーモード」(2Dモードのみ)を搭載し、HDMIが2系統あり、SRS Soundに対応するといった特徴も持ち合わせる(ただし、3D表示はDVI-Dのみ対応)。

クロストークとデュアルゲートフィーディングの説明データプロセシングの説明

 また、説明会では株式会社マウスコンピューターマーケティング統括部の杉澤竜也氏も登壇。現在3D対応TVが40~50万円程度かかるのに対し、NVIDIA GPUを搭載する同社製PCとW2363Dの組み合わせなら15万円からという価格で3Dを楽しめると説明。

 また、今後、3Dに対応するPCに「3D-READY」のロゴをつけ、販売していくことも明らかにした。今はまだ3Dは不要だが、後々は使いたいというユーザーに向け、3Dに対応するPCにこのロゴをつけて販売し、必要に応じてオプションの3D Visionと3D液晶を買えば、3Dに対応できることを訴求していくという。

マウスコンピューターの杉澤竜也氏会場に展示された同社のゲーミングPC「G-Tune」シャッター式メガネを使うNVIDIA 3D Vision
W2363Dは側面にHDMI×2も装備現在アメリカでは実験的にゴルフマスターズトーナメントの3D放送が行なわれており、その録画がデモで使われたGeForceをSLIにすることで3画面の3D Vision Surroundも可能になる

(2010年 4月 8日)

[Reported by 若杉 紀彦]