IDC Japan株式会社は、2009年国内クライアントPC市場実績値を発表した。これによると、通年での出荷台数は前年比5.7%減の1,343万台となった。
市場別に見ると、家庭市場はネットブックなどの低価格PCが牽引し、5.2%増のプラス成長となったが、金融危機の影響が強いビジネス市場が14.5%減となり、全体としてマイナス成長となった。台数では、ビジネス市場の674万台に対し、家庭市場が669万台とほぼ同数に迫りつつある。
ベンダー別に見ると、NEC、富士通、デルの上位3社はそれぞれシェアを減らしたが、4位の東芝と5位の日本HPは出荷台数を伸ばした。また、台湾勢ではASUSTeKが大幅増となったのに対し、日本エイサーは2桁減に陥った。
第4四半期では、Windows 7の影響で家庭市場は前年同期比7.5%増。また、ビジネス市場も教育ニューディール特需などにより、3.2%増と5四半期ぶりのプラス成長に転じた。
2010年の見通しについて同社では、「これまで経費節減のためPCの買い換えを控えていた企業が買い換えを始める兆しが見えてきた。2010年前半に中小企業を中心とした買い換えが始まり、後半から大企業向け大型案件の出荷が始まる。家庭市場は好調に推移しているが、ミニノートのようなヒット製品がないため、1桁の成長に留まる」と分析している。
(2010年 2月 16日)
[Reported by 若杉 紀彦]