ニュース

視覚推論でOpus 5/Fable 5超え。Sakana AI「Fugu Ultra v2」提供開始

2つのモデル同時リリース

 「1つの巨大モデル」に頼らないAIが、価格でも性能でも優位になる。Sakana AIは9月11日、複数のAIモデルを束ねて使い分けるオーケストレーション型モデル「Fugu Max」および「Fugu Ultra v2」の提供を開始した。既存の「Sakana Fugu」と同じOpenAI互換APIで利用でき、利用中のユーザーはパラメータを1行書き換えるだけで移行できる。

 Fugu MaxとFugu Ultra v2は、いずれも同じオーケストレーションアーキテクチャをベースに、異なる目的へ最適化したモデル。Fugu Maxは「可能な限り安いコストで最良の出力を得る」ことを、Fugu Ultra v2は「複雑な複数ステップのタスクで到達可能な最高性能を出す」ことをそれぞれ狙った。

 Fugu Maxは、オーケストレーション対象となるモデルプールを大幅に拡張。NVIDIAとの協業によるNVIDIA Nemotronファミリを含め、これまでで最多のオープンウェイトモデルと特化型モデルを統合。タスクごとに、それを解ける範囲で最も軽いモデルへ動的にルーティングすることで、トークン消費を抑えフロンティア級の結果を実現する。

オーケストレーションモデルが増えたFugu Max

 性能面では、「Terminal Bench 2.1」で89.5、「GPQAD」で95.5、「AA-LCR」で83を記録。「GDP.pdf」で26、「AutomationBench」で49.5、「SWEFish」で62.5などと合わせ、6つのベンチマークで総合最高スコアとしている。コスト面では、入力が100万トークンあたり2ドル(約306円)、出力が100万トークンあたり6ドル(約918円)。出力価格はSonnet 5、GPT 5.6 Terra、Kimi K3と比べて40~60%低いとしている。

Fugu Maxの性能

 一方のFugu Ultra v2は、複雑な推論や自律的研究、フルスタックのソフトウェア開発といった用途に向けた高性能モデル。視覚推論とデータ解釈を測る「Chartography」では48.3を記録し、Opus 5の27.3、Fable 5の29.5を上回った。実務的なソフトウェアエンジニアリングを測る「DeepSWE」では74.3で、トークン単価が3~5倍高いモデルを超えたという。8つのベンチマーク中5つで最高または同率最高、7つでトップ2に入った。

 特徴は、Fable 5、Fable 5.1、GPT-6-Astraをエージェントプールに含めずにこのスコアを達成している点。オープンウェイトモデルと特化型モデルを組み合わせ、交換可能なプールをオーケストレーションする。これにより特定の閉鎖的なエコシステムを超え、ベンダーロックイン、APIの無効化、地政学的な混乱、突然のサービス停止などからユーザーを保護するとしている。

Fugu Ultra v2の性能