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「にじボイス」がサービス終了。権利侵害はないものの「声が似ている」との指摘多数で

 DMM傘下のAlgomaticは11月21日、AI音声生成サービス「にじボイス」を2026年2月4日で終了すると発表した。

 にじボイスは、入力したテキストの音声をAI生成してダウンロードできるサービス。2024年12月より提供を行なっている。ボイスはキャラクター化されており、任意のキャラクターを選んで音声を生成可能。サービス開始時点で100体以上のキャラクターが選択可能で、企業向けにAPIも提供している。

 同社は、提供中のキャラクターボイス33体について、俳優/声優の事業協同組合である日本俳優連合(日俳連)より「キャラクターボイスが組合員の声に酷似している」との理由から問い合わせを受け、11月17日に当該キャラクターを削除。19日には同団体より追加で20体の削除要請を受けていた。

 Algomaticのニュースリリースではキャラクターの削除について「実演家の方々や関係団体にご心配やご懸念を生じさせることは本意ではない」として削除要請を受理した旨を説明。にじボイスは元来、声の権利を守るためのプラットフォームとして立ち上げた経緯があり、実演家の「声が似ている」という指摘に対し、企業として「それは主観である」と主張することが生身の人間にとってどう感じられるのかを考えた結果、サービスの提供を終了する判断にいたったという。

 なおAlgomaticは、キャラクター削除のいずれのケースにおいても法的に権利侵害は認められなかったとの認識を表明している。AIの学習に用いたデータセットについては開示していない。