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MicrosoftとOpenAIが"次段階のパートナーシップ"に向けた覚書を締結

 米MicrosoftとOpenAIは9月11日(現地時間)、両社が結んでいるパートナーシップの次の段階に向けて、拘束力のない覚書(MOU、Memorandum of Understanding)を締結したと共同発表した。「すべての人々にとって最高のAIツールを提供する」ことを念頭に、契約条件の最終決定に向けた取り組みを行なっているとしている。

 OpenAIは非営利法人として設立されたが、「汎用人工知能による利益を全人類に届ける」理念を実現するための資金を調達する目的で、同名の営利子会社(有限責任会社、LLC)を傘下に持っている。この営利子会社は5月に、公益に資する法人(PBC、Public Benefit Corporation)へと移行した。PBCは株主利益の最大化のほかに、社会貢献や公益の追求が法的に義務付けられている法人であり、LLCでは不可能だった一般的な条件での資金調達が可能になる。OpenAI CEOのサム・アルトマンによれば、OpenAIの理念を実現するには最終的に数兆ドルの資金が必要になるとしており、PBCへの移行によって、AI開発のさらなる加速と理念の追求が法的な裏付けをもって両立できる企業形態になった。OpenAIは現在、このPBCについて1,000億ドルをこえる金額の株式を保有している。

 また非営利法人としてのOpenAIは同日、7月に5,000万ドルの拠出を発表した助成金プログラムについて、初回の申請受付を開始した。同プログラムは「AIリテラシーと公共理解」「地域イノベーション」「経済的機会」の3分野における非営利団体とコミュニティの組織を支援する目的で設置したもの。ニュースリリースでは、こうした取り組みは、PBCとなったOpenAIが実施する社会貢献の一環と位置付けている。