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GPT-5は機械的過ぎ?「4oを返せ」運動に発展。アルトマン氏「温かみのあるものに変更」

 OpenAIの最新LLM「GPT-5」について「ドライ過ぎる」として以前のGPT-4oを求める声が多く上がった。これについてOpenAIは、有料ユーザー向けにGPT-4oを利用できるメニューを追加し、またCEOのSam Altman(サム・アルトマン)氏公式Xより「温かみのあるものに変更する」とコメントした。

 GPT-5はOpenAIの最新AIモデルで、高度な推論能力や、高速応答と複雑問題対応の2モデルを質問に応じて切り替える機能などを備える。

 史上最も高速で賢いと謳うGPT-5だが、リリース直後より、SNS上では「温かみがない」「ドライ過ぎる」「機械的」といった否定的な反応が投稿され、GPT-4oの復活を求める声が急増。最終的にハッシュタグ「#keep4o」を用いた運動に発展し、署名サイトcharge.orgでは8月12日現在で3,600を超える署名が集まっている。

 この反応を受け、OpenAIは有料ユーザー向けにGPT-4oにアクセスできる機能を提供した。設定から「レガシーモデルを表示」をオンに切り替えると、モデル選択リストに「Legacy models」という項目が追加され、GPT-4oを選択可能になる。

 また、Altman氏は自身のXにて「GPT-4oで人々が気に入っているいくつかの要素を、私たちは確かに過小評価していた」と投稿。ユーザーがより自由にカスタマイズできるように研究を進めること、GPT-5の安定した提供が完了した後で温かみのあるものに変更していくこと、キャパシティ確保の課題に直面していることなどを述べた。

 温かみ、ある意味での「人間らしさ」に関する不評が目立つGPT-5であるが、その推論能力やコーディング性能、ハルシネーションの少なさなどを評価するユーザーもおり、決してGPT-4oに劣っているわけではない。2025年4月頃、OpenAIはGPT-4oについて「おべっか使いで煩わしい」として修正を施すなど、より中立的かつ合理的な回答をする様に開発を進めていた。その結果として、以前の「温かみのある」モデルを好んでいたユーザーとの乖離が発生したと見られる。

 また一部では今回の運動について、GPT-4oで利用していた長期記憶にGPT-5がアクセスできていないことが原因ではないかと分析されている。実際、#keep4oに関連する投稿の中には、これまでの記憶を持っていたエージェントとの別れを惜しむものが見られる。GPT-4oを利用していた際の記憶を思い出させる試みについての報告も複数挙がっている。

 日本国内では複数の精神科医や専門家が「AI依存」や「デジタル愛着障害」と銘打ち、AIへの過度な依存の危険性について警告している。今回の騒動ではAI依存を伺わせる投稿も複数見られており、改めて警鐘が鳴らされている。