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Google、日本でもNow On TapやPhotos新機能を利用可能に

~Android 6.0の新機能提供時期について説明

Android 6.0「Marshmallow」の説明会ではNexus 5XとNexus 6Pの展示も

 グーグル株式会社は7日、最新OSのAndroid 6.0「Marshmallow」(マシュマロ)や同OSを搭載するNexus 5XおよびNexus 6Pに関する記者説明会を開催した。

 目新しい情報はなかったものの、Andoroid 6.0になって何が変わったのかや、日本で近々提供予定のGoogle Photoのグルーピング機能、アシスタント機能の「Now On Tap」といった最新フィーチャーについての確認という形で説明が行なわれた。

米Google エンジニアリング担当副社長 ヒロシ・ロックハイマー氏。説明の合間にAndroid 6.0のコードネーム選定において「Marshmallow」のほかに日本の「Mochi」(餅)も挙がっていたというジョークを飛ばし会場を笑わせた

 冒頭ではGoogle本社のエンジニアリング担当副社長であるヒロシ・ロックハイマー氏が登壇。同氏によると、現在世界中に14億人のAndroidユーザーがおり、そのエコシステムの1つであるGoogle Playにおいて日本の開発者がグローバルで3位の売上を出しているとのことで、ゲームのモンスターストライク(モンスト)やチャットツールのLINEなど、世界で多くのユーザーが日本初のアプリを使っているという現状を語った。

 次いで、グーグル株式会社 製品開発本部長の徳生裕人氏が登壇し、先日発表された「Nexus 5X」と「Nexus 6P」について説明した。

 Nexus 5Xは世界でも最も人気の5インチ筐体であるとし、10分間の充電で4時間使えるというUSB Type-Cによる高速充電、Nexus史上最高の画質と最高の自撮りが行なえると謳う1,230万/500万画素カメラ、メインのCPUとは別駆動のSensor Hubによってスリープからの高速復帰を可能とする点などをアピール。

 Nexus 6Pについては、Nexus史上初のアルミ筐体を採用したこと、初のWQHD(2,560×1,440ドット)ディスプレイ、アクティブマトリクス方式の高解像度有機EL、3,450mAhの大容量バッテリといった特徴を紹介。詳細な仕様は既に掲載済みの別記事で確認できる。

グーグル株式会社 製品開発本部長の徳生裕人氏
Nexus史上最高の画質を誇るというNexus 5Xのカメラ
初のアルミ筐体を採用したNexus 6P。ディスプレイは2,560×1,440ドットと解像度が高い

 徳生氏は今回のAndroid 6.0について、革新的なものではなく、基本に立ち返ったOSであるとし、日々のユーザー体験を最高にするためのものだと位置付ける。

 具体的には、(1)音声検索と充電状況を確認できるようになったロック画面の改善、(2)時間帯に応じて日々使うアプリを上位に表示するようにしたアプリ一覧、(3)インストール時はアプリに最小のアクセス権限を与え、カメラ初使用時などに追加でアクセスの承認を要求するようにしたアクセス権限設定の見直し、(4)非使用時にネットワークアクセス機能を切るなど、バッテリが30%長持ちするようになる省電力機能「Dozeモード」への対応を挙げた。

Android 6.0「Marshmallow」
ロック画面の改善
アプリ一覧の改善
アクセス権限設定の見直し
Dozeモード搭載で、バッテリの長時間駆動が可能に
使われていない状態(Doze)中に省電力化を図る
バッテリは30%長く使えるようになるという

 このほか、海外では提供済みで日本では利用できていない機能に関して提供目途などを説明。徳生氏は海外では利用可能なGoogle Photosのグルーピング機能について、現在開発中の日本版でデモンストレーションを行なった。通常Google Photosは機械学習で場所や人物、イベントを分類し、自動整理を行なっているが、グルーピング機能によって、同一人物の赤ん坊の頃と3歳児の頃などの見分けが難しい写真の関連付けを自動的に行なえるようになる。また、「太郎 雪だるま」や「花子 北海道」といった人物とタグ付けなしのイベントなどを組み合わせた検索でも、適切な写真が検索されるようになる。

 これ以外にも複数のGoogle Photosユーザーが一緒にアルバムを作成/管理できる「共有アルバム」機能については、年内提供予定としている。

クラウド上で写真管理を行なう「Google Photos」
Google Photosは、安全に保管、整理不要、簡単共有の3つの特徴を備える
Google Photosでのキャスト機能の提供が本日から開始された
Google Photosユーザー同士でアルバムを作成/管理できる「共有アルバム」は年内提供予定
Google Photosのグルーピング機能では、時間の変化を追いつつ、生まれたばかりの頃から幼少期、そしてそれ以降へと、同一人物として自動的にグルーピングする
「太郎 雪だるま」で検索。写真に雪だるまというタグが貼られているわけでもなく、該当人物と雪だるまが写った写真が表示される

 最後は、ユーザーの行動を先回りして機能を提供する「Now On Tap」についての説明だった。Google I/Oで紹介済みのアシスタント機能であり、ホームボタンを長押しすることで呼び出せる。こちらも日本版は開発中。

開発中のアシスタント機能「Now On Tap」日本語版をデモ

 デモではあらゆる状況での利用方法を紹介。1つはGoogle Musicにてアーティスト名を検索窓に入力後、ホームボタンを長押ししてNow On Tapを実行。会場では「Do As Infinity」と入力することで、選択されているbelieve in youという曲と音楽グループの2つの検索カードが表示された。後者はユーザーがアーティストについて検索するだろうと予測したもので、通常ならChromeを開くなどしてアーティスト名を入力するといった手間を省けるようになっている。

 また、チャットで表示されているメッセージについてもNow On Tapで検索し、メッセージ中にあるワードが店の名前であることを見つけて、場所や食べログのページをユーザーが何も入力することなく表示させてみせた。さらにチャットメッセージ中の“待ち合わせ”というキーワードからカレンダーの予定作成画面を呼び出す、映画名から映画館とその上映時間を探すなど、実際にユーザーが次に起こすと思われるアクションに先回りして行動を起こしていた。

Now On TapのデモではGoogle Musicで検索したアーティスト名から、アーティスト自体の検索へと先回りする挙動が見られた
アーティストが表示された状態でホームボタンを長押し
Now On Tapが起動し、曲の検索とアーティストの検索の2つのカードが表示された。ユーザーはわざわざChromeを開いてワードを入力する必要がない
チャット上のメッセージをNow On Tapすると
「JJハワイ」のキーワードから類推し、所在地を含めた店名が検索カードに表示された
そのまま食べログの検索へとつながる
チャットの内容から、予定の作成が必要と判断し、カレンダーアプリの呼び出しを提案してくる
映画に関するチャット内容から映画館の上映時間まで先回りして検索を提案する

 こちらも年内提供開始予定とのことで、同氏はこれら提供予定の機能について解説した後、Nexus 5Xおよび6Pが既にGoogleストアで購入できることを述べ、Google Play Musicの90日間無料トライアルが行なえる点を来場者にアピールして締めくくった。

Now On Tapは年内提供予定
Nexus 5XとNexus 6Pを購入するとGoogle Play Musicの90日間無料トライアルが付いてくる

 以下、会場に展示されていたNexus 5XとNexus 6Pの実機写真を掲載している。

Nexus 5X
背面
上面
底面
右側面
左側面
Nexus 6P
背面
上面
底面
右側面
左側面
ソニーのSmartWatch 3
HUAWEI WATCH W1
モトローラのMoto 360

(中村 真司)