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デル、国内は「Venue」としてAndroidは投入せずWindowsに集中

Venue 8 Proを紹介する秋島健一氏
11月14日 発表

 デル株式会社は14日、Windows 8.1タブレット「Venue Pro」シリーズの発表会を開催した。

 Venueは同社のタブレット用新ブランド。関連記事にある通り、今回発表された「Venue 8 Pro」と「Venue 11 Pro」のほかに、米国ではAndroidを搭載した「Venue 7」と「Venue 8」も発表されている。この点について同社クライアント製品&ソリューションマーケティング本部部長の秋島健一氏は、自社製品ではあるがAndroidモデルは、幾多あるAndroidタブレットの1つに過ぎない仕様で、日本では自信を持って出せないため、投入を見送ったと述べた。

Venue Proシリーズの付加価値

 逆に言うなら、Windowsモデルには自信があるということになるが、具体的なVenue Proシリーズならではの付加価値として、SIMロックフリーの3G対応(オプション)、バッテリの着脱/交換、AtomからCoreまで幅広いCPUの選択肢、vProテクノロジー対応(3G以外は11 Proのみ)という点を挙げた。特に、WindowsタブレットはiOSやAndroidにないセキュリティや互換性から企業からも注目を集めているが、vPro対応により、管理性がさらに増す。

 Venue 11 Proはサイズなどの面で、MicrosoftのSurface Proと競合するが、Surface ProがややハイエンドよりでOfficeも付属し、ピンポイントで特定のユーザーの要求を満たすが、デル製品では、CPUやストレージの選択肢が広く、価格帯もやや下となるため、直接競合しないとしている。また、Microsoftとは、Windows陣営として、一緒に業界を盛り上げていく重要なパートナーであるとの見方を示した。

金秦英氏

 同社クライアント製品&ソリューションマーケティング本部マーケティングマネージャーの金秦英氏は、Venue 8 Proについて、「Windowsタブレットとして最薄で、赤くて、“可愛い”」と軽い溺愛ぶりを見せた。しかし、発売が年末の12月30日になったことは、自分でも「思わず驚いた」というが、これは先に受注だけして出荷まで待たせることをしたくないとの方針から、製品が潤沢に揃うまで発売を延ばしたのだという。

 同製品のOffice Home and Business 2013の差額がたった2千円であるのは、Microsoftの協力によるものだという。ちなみに、Microsoftは8型クラスのWindowsタブレットに対し、格安でOfficeを提供するプログラムをPCメーカーに対して実施している。

 デルでは、8型タブレットは、まず個人が買い、徐々に法人にも広まるとみているが、iOSやAndroid市場ではより大きいスマートフォンと捉えられるのに対し、Windows市場ではより小さいPCと捉えられるため、学生や企業が求めるニーズを考慮し、Officeバンドル版やキーボードのオプションを用意したという。2千円ではあるが、それでもOfficeはいらないというニーズも考慮し、Officeなし版も取り揃えた。

 オプション品について、今回キーボードカバーなどを同時発表したが、サードパーティとも協業を進めており、順次対応製品が投入される見込み。

 このほか、秋島氏は、Dell全体の今後の戦略についても説明した。既報の通り、10月末を以てDellは株式が非公開化された。これにより、短期的な利益を求めて、顧客のニーズに合致しない製品を出すということから解放され、中長期的な付加価値を提供できるようになるとした。

 今後注力する領域は、クラウド(Transform)、デバイス(Inform)、コンテンツ(Connect)、セキュリティ(Protect)の4つ。また、エンドユーザー向けには、クライアント端末、サービス、周辺機器/ソフト、ソリューションの4つの大きなポートフォリオを提供していく。

Dellの今後の注力領域
エンドユーザー向けポートフォリオ

(若杉 紀彦)