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AMD、クロックと電力効率の向上を両立させたAPU「Richland」を正式発表
~顔認証ログインなどの新機能も追加
(2013/3/12 22:00)
米AMDは12日(現地時間)、「Trinity」の後継となるAPU「Richland」ことAMD A-5000シリーズを正式発表した。OEM向けにはすでに出荷開始されており、搭載製品は4月にも登場予定。
今回発表となったのは、通常電圧のパフォーマンスモバイル向け4製品。プロセスルールは32nm SOIで、ダイやプラットフォームはTrinityと共通だが、性能や効率を向上させる改善を施した。性能については、クロックを向上。最上位で比較すると、新製品のA10-5750Mは、CPU定格クロックが200MHz、GPUベースクロックが37MHz高くなっている。また、対応メモリクロックが、1,600MHzから1,866MHzへ引き上げられた。
GPUコアは、Radeon 8000Gシリーズを搭載。従来の7000Gシリーズと仕様面での差異はないが、Intelの競合製品より50%以上高い性能を発揮するとしている。
電力効率については、Turbo COREに関して、アナログ温度センサーをAPUに内蔵させ、CPUとGPUの温度/消費電力をより高い精度で調整することで、改善を図った。具体的数値としては、Trinity A10-4600M(2.3GHz)と比較して、Richland A10-5750M(2.5GHz)は、Windowsのアイドル時と、Wi-Fiを使ったWebブラウジング時で0.3Wほどシステムの消費電力が抑えられており、45Whのバッテリ換算では12~30分ほど駆動時間が長くなるという。また、ハードウェア動画エンジンのVCEを強化し、720pの動画再生時の消費電力は3.2W削減し、バッテリ駆動時間は1.2時間引き延ばした。
新製品のTDPはいずれも35Wだが、Configurable TDPに対応し、OEMメーカーは筐体などの熱設計にあわせてCPUのTDPを調整できる。
モデルナンバー | A10-5750M | A8-5550M | A6-5350M | A4-5150M |
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CPUコア | 4基 | 4基 | 2基 | 2基 |
定格クロック | 2.5GHz | 2.1GHz | 2.9GHz | 2.7GHz |
Turboクロック | 3.5GHz | 3.1GHz | 3.5GHz | 3.3GHz |
L2キャッシュ | 4MB | 4MB | 1MB | 1MB |
Radeon | 8650G | 8550G | 8450G | 8350G |
GPUコア | 384基 | 256基 | 192基 | 128基 |
GPU定格クロック | 533MHz | 515MHz | 533MHz | 514MHz |
GPU最大クロック | 720MHz | 720MHz | 720MHz | 720MHz |
独自のソフトウェアを使った機能追加もなされており、これまでの、動画/静止画の画質を向上させる「Perfect Picture HD」、動画の手ぶれを補正する「Steady Video」、ネットワークのQoSを行なう「Quick Stream」のほか、「Gesture Control」、「Face Login」、「Screen Mirror」が新搭載された。
Gesture Controlは、カメラに向かってジェスチャーをすることで操作を行なうもの。ブラウザや、画像表示、プレゼンテーションなどの簡単な操作ができる。Face Loginは顔認証でOSにログインしたり、特定のサイトへのパスワード入力を自動化する。Screen Mirrorは、Wi-Fi経由でDLNA対応のTVなどにPC内の写真や動画を再生させる機能。また、Wi-Fi Directによるワイヤレスディスプレイにも対応する。
また、スタンバイやレジュームから復帰させた際に、即座にシステムが動作するよう反応性を改善。無線LANコントローラメーカー各社とも協業しており、ノートPCの天板を開けて1~2秒の内に、システムがオンになり、ネットワークにも繋がっている状態になるという。前述のFace Login機能を組み合わせると、パスワード入力操作も省略できる。同社ではこの機能を「Start Now」と呼んでいる。
このほか、製品ロゴを刷新。「Vision」という括りはなくなり、「ELITE QUAD-CORE」などの文字で位置付けを示す。
なお、薄型ノート向けの低電圧版は上半期後半に予定されている。