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Lightroomで写り込んだ人物の削除が可能に

 Adobeは、クリエイター向けイベントAdobe MAX Japan 2025にあわせ、LightroomやIllustrator向けの新機能を発表した。

Lightroom

 Lightroomでは、AIモデルが写真を分析してトーンとカラーを適切に調整する「アダプティブプロファイル」を追加した。カラーとモノクロそれぞれに対応する2つのプロファイルが加わる。

 従来のユニバーサル設定のプリセットやプロファイルと異なり、コンテンツに応じてAIが調整を施すもので、現像を行なう場合でもより高品位な状態から始められるという。

 また、Adobe Camera Rawで利用できる「不要な要素の削除」に、写り込んでしまった人物の除去機能をテクノロジープレビューとして新たに搭載した。2024年12月に実装した反射の削除に続くもので、写真内の邪魔な人物を検出し、生成AIを使って削除できる。現時点ではCamera Rawで使えるが、Lightroomにもまもなく搭載予定としている。

アダプティブプロファイル
写り込んでしまった人物の除去機能。上が除去前、下が除去後

 さらにデスクトップ版では、デュアルモニターのサポートも実施。一方のモニターで編集ビュー、もう一方でグリッドビューを開くなど、編集作業の効率化を図れる。

 そのほか、「背景の選択」機能のモバイル版への追加、Lightroom Classicにおけるテザー撮影ライブビュー機能の強化、Web版において写真管理/整理を効率化できる「重複を検索」機能の追加(早期アクセス版)、共有機能の強化なども行なわれている。

Web版Lightroomに実装された重複を検索

Illustrator

全体的なパフォーマンスが向上したIllustrator

 Illustatorでは、アーキテクチャに根本的な変更を実施し、全体的なパフォーマンスを向上。リンクされた画像を埋め込み画像に変更する場合で最大10倍、画像の読み込みやドラッグアンドドロップといった操作で最大5倍、ドロップシャドウやぼかし、ラスタライズといった処理で最大5倍の高速化を実現したとする。

 また、日本語の組版を大幅に改善。日本の標準規格に沿ったレイアウトが用いられるようになり、手作業での調整にかかる時間を削減できるとする。すでに提供中の文字組み更新機能を通じて、旧バージョンで作成したファイルにも改善を適用できる。さらに、2軸制御とカラーグリフを特徴とする日本語の新バリアブルフォント「百千鳥」(ももちどり)も発表した。

日本語の新バリアブルフォントとなる百千鳥

Project Neoが日本語に対応

Project Neoはパブリックベータ版へ昇格

 そのほか、2Dデザイナー向け3Dコンテンツ作成Webツール「Project Neo」がプライベートベータ版からパブリックベータ版へと昇格した。

 これにともなうアップデートとして、Illustratorと直接連携可能な2D SVG読み込み機能、Adobe Fontsライブラリの統合、日本語のサポートなどが図られた。さらに、生成AIのAdobe Fireflyとの連携により、3Dシーンをベースに画像を生成するといったことも可能となっている。

Adobe Fireflyとの連携により、3Dシーンから画像の生成も可能に