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45分以内にPCは組めるか。「MSIカスタムPC王者決定戦2024」開催
2024年8月28日 06:12
MSIは24日、自作PCイベント「MSIカスタムPC王者決定戦2024」を東京・秋葉原で開催した。協賛はアスク、インテル、ADATA、CoolerMaster、Corsair。
PCの早組み速度を競うイベントで、インフルエンサー大会と公募の一般参加大会に分かれており、参加者はそれぞれ6名。どちらも持ち時間は45分。通電を確認し、MSIスタッフによる判定を通過すればその時点でタイマーストップとなる。
ルールとしてはこのほか、ドライバーなどのツールやグリスは主催が用意したものを使うこと、24ピンや補助電源、ケースフロントパネル、冷却ファンの配線を完了すること、すべてのネジ留めを完了することが示された。
組み立てに用いるCPU、ビデオカード、メモリ、マザーボード、CPUクーラー、ケース、電源の各PCパーツは、MSIおよび協賛各社が用意した中からくじ引きでランダムに選出する。
CPUクーラーは空冷と液冷が混在しており取り付け手順が異なるほか、ケースがピラーレスかどうかでも作業性に差が出てくる。ラジエータやヒートシンク、ビデオカードサイズなどの兼ね合いで組み立ての順番を工夫する必要もあり、出場者自身の応用力とくじ運の引き強さも重要な要素となっていた。
ほとんどの出場者にとって多くの時間を消費したのはケース内配線だったが、途中、用意されたドライバーではネジのサイズが合わない、ケースが閉まらないなどのハプニングもあった。
インフルエンサー大会の出場者は清水貴裕氏、森田健介(モリケン)氏、At.Holyネズミ氏、すけこむ氏、シュラララ!!氏、Kapi Lab.氏。30分57秒で優勝したAt.Holyネズミ氏ほか3人が通電まで完了し、2名が未完成に終わった。
参加者の感想として、早組みを行なう上で有利に働いた点としては、空冷の方が取り付けが簡単だったこと、ミスをしてしまった部分としてはラジエータファンやケースファンの向きを間違えたことが挙がった。
一般参加大会の基本的なルールはインフルエンサー大会と同じだが、インフルエンサー大会にない要素として「速さ」「精度」「配線」「個性」の4つを評価している。配線のまとまりなど美観を評価する項目があるため、15本まで使用できる結束バンドが用意された。審査員としてはインフルエンサー部門に出場した清水氏と森田氏に加えて、インテルの安生健一朗氏、ADATAの濱崎善光氏、Cooler Masterのウィリー氏が参加。
一般参加者のうち完成にこぎつけたのは6名中2名。4つの評価項目のうち「個性」は、参加者自身のコメントや組み上げたPCへの命名を評価するというものだが、一般参加大会でもくじ引きでパーツが選ばれるため、参加者は即興での名付けに苦労する様子もあった。また、こちらでも参加者それぞれ配線に苦戦していた様子が見て取れた。優勝者には「GeForce RTX 4090」を含む総額100万円相当のパーツが進呈された。
清水氏はPCパーツを自分で選べない早組み競技という点に着目し「(自作PCの腕に覚えのある)ベテランの方でも、限られた時間でタイムアタックをすると、組むのに悩む部分が出てくることが分かった」とコメント。製品開発の面からも、初めて触るパーツで組むユーザーのリアルな姿が見られたのは、業界の人間として得られるものが大きかったと話した。
安生氏は今回の大会について「たくさんのパーツの組み合わせでPCを組む過程を見て楽しめる素晴らしい企画」と評価。参加者が実際にPCを組み上げる様子や審査員のコメントからは、組むだけでなく性能を出すためのノウハウが凝縮されており「今大会のアーカイブを見返すことで、視聴者自身のPC組み立てライフに活かせるのではないか」と話し、イベントを企画したMSIへの謝意を表明した。
このほか試合の合間には、協賛メーカーによるトークセッションを実施。ここではCoolerMasterのスニーカー型PCケース「Sneaker X」や四角柱型ケース「NCORE 100 MAX」の解説、MSI製マザーボードのフラッシュBIOSボタンを使ったBIOS更新の実演、ADATA製XPGブランドパーツの紹介などを実施した。