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AI PCの展開強化を進めるデル、Copilot+ PC新製品を一挙紹介
2024年8月1日 11:00
デル・テクノロジーズは7月31日、同社が6月以降に発売した個人および法人向けCopilot+ PCの特徴や性能を紹介する報道者向け説明会を実施した。
説明会では、同社コンシューマー&ビジネスプロダクトマーケティング統括本部 コンサルタントの松原大氏やクライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 コンサルタントの白木智幸氏が登壇した。
Copilot+ PCは、最先端のAIモデルや40TOPS以上の性能を有するNPUなどを備え、Windows PC史上最も速くインテリジェントなPCと謳うAI PC。同社は6月以降、CPUにSnapdragon Xを搭載したCopilot+ PCとして、「XPS 13」、「Inspiron 14 Plus」、「Latitude 7455」を発売している。
個人向けCopilot+ PCのXPS 13、Inspiron 14 Plusの紹介を担当した松原氏は冒頭、同社が行なったAI PCにおける意識調査の結果を紹介した。
調査によればAI PCの認知度は50%ほどで、AI PCの利用用途に関しては多岐にわたり、ユーザーの期待値が高いことが分かった。この結果を受けて、同社はCopilot+ PCのラインナップを強化していく意向を示した。
また、AI PCの購入を検討する際には価格が最も重要な要素であるという結果も出ており、価格も考慮に入れた製品展開が求められる必要があると述べた。
XPS 13はフルカスタマイズが可能なハイスペックモデルで、CPUにSnapdragon X Elite(X1E-80-100)を採用するほか、最大64GBのメモリ、最大2TBのM.2 NVMe SSDを選択できる。
ディスプレイにはフルHD+、QHD+、3K OLEDの3種類を用意する。3K OLEDモデルは、パネルの焼き付きを抑える「Tandem OLED」技術を搭載するほか、厚さは14.8mm、重量は1.17kgとXPS 13史上最薄、最軽量を実現している。
構成例として、Snapdragon X Elite(X1E-80-100)、16GBメモリ、512GB M.2 NVMe SSD、フルHD+液晶、Windows 11 Homeなどを搭載する場合、価格は24万9,980円。
Snapdragon X Elite(X1E-80-100)、64GBメモリ、2TB M.2 NVMe SSD、3K OLED、Windows 11 Homeなどを搭載する場合、価格は37万8,240円。
Inspiron 14 Plusでは、CPUにSnapdragon X Plusを搭載したモデルと、Snapdragon X Eliteを搭載したモデルの2種類を用意する。XPSシリーズが最軽量であるのに対し、Inspironシリーズは豊富なインターフェイスを備えており、USB4やUSB 3.0、microSDカードスロットなどを装備する。
下位モデルは、Snapdragon X Plus(X1P-64-100)、16GBメモリ、512GB M.2 NVMe SSD、QHD+液晶、Windows 11 Homeなどを搭載し、価格は18万9,800円。
上位モデルは、Snapdragon X Elite(X1E-80-100)、16GBメモリ、1TB M.2 NVMe SSD、QHD+液晶、Windows 11 Proなどを搭載し、価格は26万4,760円。
同社は、8コアのSnapdragon X Plus(X1P-42-100)を採用した「Inspiron 14」も9月下旬に投入する。
白木氏は、法人向けCopilot+ PCのLatitude 7455を紹介した。Latitude 7455はCPUにSnapdragon Xを搭載したモデルで、ユースケースに応じて構成を選択できる。ディスプレイはQHD+でアスペクト比が16:10のタッチパネルを採用する。
セキュリティ機能としてPlutonセキュリティプロセッサも搭載し、指紋および顔の生体認証も装備する。同社はミドルレンジモデルの「Latitude 5455」を9月下旬に投入する。
日本マイクロソフトによるCopilot+ PCの説明も
【お詫びと訂正】初出時、佐藤氏の肩書に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。
説明会ではゲストスピーカーとして、日本マイクロソフト 業務執行役員 デバイスパートナーセールス事業本部 事業本部長の佐藤久氏も招かれた。同氏は、マイクロソフトがCopilot+ PCの登場にあわせてどのようなエコシステムの構築を準備しているかという観点もふまえて、Copilot+ PCの概要や機能を説明した。
マイクロソフトは、すべての製品にAI機能を搭載することを目指して、Copilot for Microsoft 365、Copilot Stack、そしてCopilot+ PCの3つのプラットフォームを用意している。
Copilot for Microsoft 365では、Microsoft Graphが非構造化データも含めて学習できる形に成形することで、AIに学習させるデータがないユーザーにも対応する。Entra IDにより自社データを安全性も確保されているほか、Microsoft 365 Appsを通じて社内の利活用もサポートする。
Copilot Stackは、顧客が独自のCopilotを活用したソリューションを開発できるテクノロジースタックであり、マイクロソフトの強みの1つだという。これにはAIインフラストラクチャ、基盤モデル、顧客データ、AIオーケストレーション/AIツールチェーンおよびCopilotを含んでおり、エンドツーエンドで開発をサポートする。
Copilot Stackに関してマイクロソフトは、世界中で60を超えるAzureリージョンを運用しているほか、5万社以上が利用しているAzure OpenAIを展開しており、セキュリティファーストで基盤を整え、生成AIを安心安全に利用できる環境を提供しているという。
佐藤氏は、Copilot+ PCについて「Windows PC史上最も速く、インテリジェントなPC」と紹介し、Copilot+ PCのAI機能として、過去の作業を簡単に参照できる「リコール」や、NPUの登場により完成した「ライブキャプション」、AIにより配信時のライティングや肌の質感を補正する「スタジオエフェクト」などを挙げた。
マイクロソフトでは、AIを活用したアプリケーションを開発できる環境として「Windows Copilot Runtime」も提供している。
同環境では、スタジオエフェクトやライブキャプション、OCR、リコールなどの機能をアプリケーションに組み込むことができるほか、SLMのPhi-Silicaや、RAG/Vector Embeddings/Text Summarizationなどのライブラリ、DirectMLでネイティブ実行できるAIフレームワークなどが今後追加されるという。
説明会ではこのほか、Copilot+ PCの機能を体験できる展示も行なわれた。