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Intel、「互換性を必要とする場合以外はBaselineプロファイルを推奨しない」

 Intelは18日(現地時間)に、同社コミュニティサイトにおいて、第13世代および第14世代のK/KF/KSプロセッサが動作不安定と報告されている件について、6月の調査結果を取りまとめた。

 これらのプロセッサでは、以前より高負荷アプリケーションの動作の際にエラーを引き起こすといった事象が報告された。そのためIntelは「Baselineプロファイル」と呼ばれる電力制限付きプロファイルをマザーボードのメーカーなどに対して提供し、4月下旬辺りよりマザーボードメーカー各社がユーザーへ提供をしている。

 6月の調査では、不安定に関する要因として、以前のBIOSではCPUが高温の場合でも、プロセッサへの入力電圧が上昇し、高いターボ周波数で動作できるようになっていることが確認された。

 この一連の挙動の中で、Enhanced Thermal Velocity Boost(eTVB)のアルゴリズムが、該当CPUの動作条件に影響を及ぼす可能性があるバグが発見されたという。このためIntelはeTVBに関連するパッチを開発しており、2024年7月19日までにBIOSのアップデートして展開する予定だという。

 ただ、このeTVBのバグは不安定要因の1つになる「可能性がある」というだけで、不安定になる「根本的な原因」ではないとして、引き続き調査に取り組むとしている。

 ちなみに、この報告でやや興味深いのは、報告の中でIntelが推奨する電力設定が表として提供されているのだが、Intelとしては「互換性を必要とする場合以外はBaselineを推奨しない」と明記されている点だ。

 Intelが推奨している電力プロファイルは、マザーボードでVRデザインが許す限り、Core i5とCore i7の場合が「Performance」、Core i9(KS含む)が「Extreme」と、いずれも性能が出せる従来の設定。KSプロセッサに至っては、そもそもBaselineプロファイルが提供されていない。

 つまり、オーバークロック動作については引き続きユーザーの自己責任とはなるが、Intelとしては引き続きPerformanceやExtremeプロファイルが最適であると判断し、保証を続けるということになる。ユーザーとしては、不安定な状況に陥っていないのであれば、あえてBaselineプロファイルの適用を急がなくてもいいだろう。