日立、AI関連でMicrosoftと数千億円規模の協業

DALL-E 3で生成

　株式会社日立製作所(日立)とMicrosoftは、生成AIを活用した社会イノベーションを加速するための戦略的パートナーシップを締結した。本協業は、今後3年間で数十億ドル(数千億円)規模を見込んでいる。

　日立は、同社のIoTプラットフォーム「Lumada」ソリューションにMicrosoftのクラウド技術やAzure OpenAI Service、Dynamics 365、Copilot for Microsoft 365、GitHub Copilotなどを組み込む。これにより、2024年度に売上収益2兆6,500億円を計画するLumada事業の成長を加速し、27万人の従業員の生産性向上を図る。

　本協業ではMicrosoftと連携しながら、日立グループ全社のAIトランスフォーメーションも推進し、業務効率化やアプリケーション開発の生産性向上を目指す。たとえば、日立の鉄道事業のグループ会社である日立レールでは、生成AIを導入した機器監視の強化や予測精度の向上による予知保全により、安全性強化と故障低減、サービス品質向上、運用コスト削減を実現する。

　両社はエネルギー業界においてもアセットパフォーマンス管理やエネルギー取引、リスク管理などのデジタルソリューションを提供し、エネルギー転換を支援する。これにより、ダウンタイムの削減と収益性の拡大を目指す。

　サステナブルな成長を目指した共同プロジェクトも開始しており、日立の子会社であるGlobalLogicやHitachi Digital Servicesなどと連携し、デジタルエンジニアリングやIT、マネージドサービスなども強化する。環境負荷低減に向けたデータセンタープロジェクトも開始している。

　デジタル人財育成にも注力し、Microsoftが提供する研修を組み込むことで、高度な生成AIスキルを持つ「GenAI Professional」を5万人以上育成するという。