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手のひらに広がる究極Androidゲーム体験!「AYANEO Pocket S」国内発売

AYANEO Pocket S

 株式会社天空は、プロセッサにSnapdragon G3x Gen 2を採用したポータブルAndroidゲーム機「AYANEO Pocket S」を7月上旬より発売する。ハイビームやAmazonで予約受付しているほか、クラウドファンディングサイトCAMPFIREでの応援購入プロジェクトも開始している。

 価格は、メモリ12GB/128GB/1,920×1,080ドット(フルHD)対応6型液晶搭載モデルが8万9,800円、メモリ16GB/512GB/フルHD対応液晶搭載モデルが10万9,800円、メモリ16GB/512GB/2,560×1,440ドット対応6型液晶搭載モデルが11万4,800円。6月13日までは予約限定価格で1万円引きとなる。

 RazerとLogitech(ロジクール)に続いて3社目となる、Qualcommとの公式な協業によって実現したSnapdragon搭載のポータブルゲーム機。Snapdragon 8 Gen 2をベースとし、CPU/GPUクロックをそれぞれ最大3.36GHz/1GHzに強化することでゲーム性能を引き上げたSnapdragon G3x Gen 2を採用し、ハイエンドクラスのスムーズなゲーム体験を可能としている。

ゲームに特化したSnapdragon G3x Gen 2を採用
QualcommのMithun Chandrasekhar氏(Senior Director, Product Management)からの祝福メッセージも

 また、メモリに関してもLPDDR5x 8,533Mbps、ストレージに関してもリード速度最大4,000MB/sのUFS 4.0の採用が謳われている。本体側面にパフォーマンスを切り替えるスイッチを搭載し、性能を4段階に切り替えられる。

 Androidをベースとしているため、スマートフォンと同じゲームがプレイできるが、5,180平方mmのベイパーチャンバーと冷却ファンを採用したことで、より高い性能を引き出し、さらにその性能を維持できる。また、コントローラを使った操作も可能。加えて、6,000mAh大容量バッテリの搭載による長時間駆動、不要な通知の煩わしさからの解放などが謳われている。

 本体は約350gと軽量で、最薄部14mmを実現。CNC加工の筐体を採用し、サンドブラスト加工が施されている。また、十字キーやA/B/X/Yボタンは透明感のあるデザインで、文字が内部に刻印されているため消えることはないとしている。加えて、AYANEO 2で取り入れられた前面オールガラスによる一体感のある見た目も特徴。

 ジョイスティックはホール効果を採用したジョイスティックとなっており、デッドゾーンゼロが謳われている。トリガーボタンも同様で、安定した感触と正確なフィードバックを実現したという。感覚に合わせて感度を調節できる。バイブレータを内蔵しており、振動のないレトロゲームでもゲーム音声をAIが解析して振動させる「SoundTAPMagic」機能を搭載する。

製品特徴
ストリーミングプレイにも対応
ボタンマッピング機能
主な仕様や販売価格など

 同社のWindowsゲーム機に搭載されていた独自のユーティリティソフト「AYASpace」はAndroidでも健在で、ゲームランチャー機能に加え、「原神」といったコントローラ非対応のゲームに対して、ボタン操作を仮想的に割り当てることも可能となっている。

 インターフェイスはUSB 3.1 Type-C(USB PD給電およびDisplayPort Alt Mode出力対応)、microSDカードスロット、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3、指紋センサー内蔵電源ボタン。デュアルマイクも内蔵し、ボイスチャットも可能。本体サイズは約213.9×85×14mm。なお、充電コードは付属するが、ACアダプタは付属しない。

AYANEO Pocket S(ホワイト)
本体背面
AYASpaceのコントローラ割当機能
ブラックモデル
手にしてみると質感の高さが伝わってくる
本体背面
右側のM字型のボタンを押すとAYASpaceのウィジェットが表示される
本体上部に音量調節や排気口などを搭載
底面に吸気口とUSB Type-Cを備える
本体右側面にモード切替スイッチを搭載
本体左側面にmicroSDカードスロット

真のゲーマーこそゲーマーが求めるものを知っている

Arthur Zhang氏

 5月30日に都内で開かれた製品発表会では、同社CEOであるArthur Zhang氏(中国のニックネームはUncle Tail)が来日し、同社にとって日本で初となるオフライン発表会を開催。冒頭で同氏はAYANEOのブランドについて改めて解説した。

 Zhang氏は自身がヘビーゲーマーであり、過去に多くのゲーム機でゲームをプレイし、コレクションをしてきた(発表会前日も駿河屋を訪れ中古ゲームを漁っていたという)。このZhang氏のゲームに対する強烈な愛が、AYANEOの製品ブランドに反映されている。そのためAYANEOは設立されてまだ4年しか経過していないメーカーだが、独特のデザインや設計により、既に多くのファンを獲得している。

 「我々のスローガンはReal Gamers Know Gamers(真のゲーマーこそがゲーマー(が求めるもの)を理解している)だ。そのためコモディティ化された製品デザインではなく、一風変わったニッチでマニア/エンスージアスト、コアゲーマー向けのデザインに特化している。その一方で、グッドデザイン賞を受賞するなど、設計において美を意識した工業デザインも採用している」とし、ゲーマーならではの情熱をユーザーに届けていくことを使命にしているとした。

AYANEOの製品展開
4つの分野に展開中
競合に先駆けた製品投入
AYANEOの強み
AYASpaceへの投資
これまでの製品の歩み
グッドデザイン賞なども受賞している

 AYANEOの強みに関しては、競合がハードウェアしか注力していなかった時期からソフトウェアにも力を注いでいることや、Zhang氏過去のメディアの経験を生かしたソーシャルメディアの展開、そして深センのサプライチェーンを統合する高い能力などを挙げ、その結果「SteamDeckやROG Allyに先駆けてスレート型のWindowsゲーム機を市場投入できた」ことを紹介した。

 そして今回、Qualcomm搭載のポータブルゲーム機をリリースできたことについて、AMDと同様にオフィシャルパートナーとなることでいち早く市場に導入できたことをアピール。ちなみに来年(2025年)には、Snapdragon X Eliteを搭載したWindows機も考えているという。

 Windowsゲーム機のみならず、ミニPC、Androidゲーム機、周辺機器の4大分野までに裾野を広げたAYANEO。「わずか4年間でここまで一気に製品ラインナップを広げて大丈夫なのか? という心配の声が多く挙がっているが、これこそがAYANEOの製品開発速度『AYAスピード』だ」とする同氏。「このAYAスピードこそが当初から狙っていた戦略」だとも語った。

 現在、同社にとって日本市場は中国、北米に続く3つ目の市場(韓国とほぼ同程度)だというが、さらなる日本市場拡大のため、天空と共同でマーケティングやローカライズなどを進めていく。

日本市場の売上シェア
オフラインイベントの展開

 最後に同氏は「私はやりこめる系のRPGが好きだが、AYANEOのビジネスに関しても同じような冒険だとは思っている。常に初心を忘れず、2周目、3周目へと続けていくのは、AYANEOの経営とも同じだ。これからもゲーマーのための製品づくりを継続していきたい」とまとめた。

AYANEOのスローガン
AYANEO Pocket Sを手にするZhang氏

 また、天空の代表取締役の山田拓郎氏も登壇し、AYANEO Pocket Sの特徴や機能について紹介したが、最後にAYANEOの今後の製品ロードマップをチラ見せした。ここでは、Snapdragon G3x Gen 2を搭載したゲームボーイ風の「AYANEO Pocket DMG」、MediaTek Helio G99を搭載した小型の「AYANEO Pocket Micro」、ガジェット感満載のRadeon RX 7600M XT搭載eGPU「AYANEO GRAPHICS STARSHIP」、Macintosh風デザインの「Retro Mini PC AM01S」などが紹介された。

天空の山田拓郎氏
これまでの製品のロードマップ
先日コンセプト発表されたAYANEO Pocket DMG
AYANEO Pocket Micro
AYANEO GRAPHICS STARSHIP
Retro Mini PC AM01S
最後にArthur氏がAYANEO Pocket Micro実機をチラ見せした