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東芝、30TB超えの大容量HDDの実証に成功。2025年にもサンプル出荷

 東芝デバイス&ストレージ株式会社は14日、次世代磁気記録技術である熱アシスト磁気記録(HAMR)およびマイクロ波アシスト磁気記録(MAMR)の両方において、容量30TBを超える3.5インチニアラインHDDの実証に成功したと発表した。2つの異なる技術で30TB超の容量を実現し、製品化に向けた大きな一歩だという。

 HAMRは近接場光によりディスクを局所的に加熱して磁気記録能力を高める技術。今回ディスク10枚を搭載し、SMR方式により32TBを達成できたという。同社は2025年にもこのHAMR技術を適用したHDDのテストサンプル出荷を行なうという。

 一方MAMRはマイクロ波で磁気記録能力を高めるもので、同社が世界で初めて効果を実証し、2021年にも第1世代を量産、既にCMRで22TBモデルを製品化している。今回、ディスクを11枚搭載し、SMR方式を適用したほか、信号処理を改善することにより31TBの容量を達成したという。

 今回の技術開発には磁気記録メディアの開発を行なう株式会社レゾナックと、磁気記録ヘッドの開発を行なうTDK株式会社が協力したという。今後もHAMRとMAMRの両技術の開発を並行して推進し、ストレージの広範なニーズに応えるとしている。