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Intelの安定性重視「Baseline Profile」付きBIOSが配信。ハイエンド環境のエラー多発に対処

アップデート対象製品のひとつ「ROG STRIX Z790-A GAMING WIFI D4」

 4月中旬~下旬にかけて、Z790/B760チップセット搭載のマザーボードを対象に、各メーカーから「Intel Baseline Profile」を適用したBIOSアップデートの配信が始まっている。

 Baseline Profileは、システムの動作安定性を重視したBIOS設定。主に電力供給や動作温度などオーバークロック関連の設定を変更するもので、「Current Execution Protection」や「IccMax」(電流リミット)、「Thermal Velocity Boost」などの項目において安定性重視の値を初期設定として変更する。

 Z790/B760チップセットを搭載するマザーボードについては、以前より動作安定性の問題が指摘されていた。具体的には第13/14世代CoreのCPUを使用して高負荷がかかった際に、アプリケーションがエラーを起こすなどの事象が確認されている。

 Intelが独メディアigor'sLabに出した声明によれば、一部のマザーボードがIntel推奨の動作条件から外れた値(推奨電圧の超過と熱保護機能などの無効化)を初期設定としたことで、結果的に高温状態で高電圧/高周波数の動作が継続する可能性があるとしている。また報告のほとんどはOC対応マザーボードのユーザーからのものだという。各メーカーによるBaseline Profile適用BIOS配信の主目的は、この問題の是正にあるとみられる。

 なおIntelは第13世代Core i9-13900KS発表時に、電力制限を緩くすることでより高いクロックを達成しやすくする「Extreme Power Delivery Profile」を追加している。

 Intelではこの件について現在調査中であり、5月中にも問題の状況と推奨BIOS設定に関する公式の声明を発表する予定だという。