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日本企業は責任あるAI使用に向け今すぐ準備を。ガートナーが警鐘

 ガートナージャパン株式会社は、世界で進行するAI規制を踏まえ、企業は責任あるAIの使用に向けて今すぐ準備を開始すべきとした日本企業への提言を発表した。

 各国でAIの開発と採用が進む中、EUでは世界初となる包括的なAI規制法案が3月に可決するなど、AI規制の動きも急ピッチで進行しており、米国や中国も同様に規制に向けて動いている。一方日本では、4月19日に「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」が公表されたものの、法的強制力はなく、各事業者が自主的に取り組みを推進することとされている。

世界各国のAI関連規制

 同社では、日本ではAIガバナンスや実務をどうするのか明確になっていない企業が散見されており、今すぐ取り組みに向けた準備を進めるべきだと指摘。法律面だけでなく、AIを誤って使ってしまうと、人権やそのほかの権利侵害、精神的/肉体的苦痛を与えてしまう潜在的リスクがあり、企業としての信頼を大きく失う恐れがあるとしている。

 その上で、リスクベースでAIを識別/分類して、法的義務にかかわらず、責任ある企業としてしかるべき対応をとることが必要だと説明。GDPRに対応してきた欧米と比べ、日本の組織はコンプライアンス対応に関する成熟度が総じて低いため、基礎を築くところから始める必要があると指摘する。

 また、AIのユースケースとテクノロジーは今後も絶えず変化することを想定しておくべきだとし、テクノロジーが先で法律は後追いとなってしまうため、法律中心ではなく人中心で考える必要があるとしている。