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Intel、モアレやチラツキが改善された超解像技術「XeSS 1.3」
2024年4月5日 12:34
米Intelは4月4日(現地時間)、フレームレートを向上させられる超解像技術「Intel Xe Super Sampling(XeSS)」の新モデルであるXeSS 1.3を発表した。
XeSS 1.3では、モデルの最適化、追加のトレーニング、特定の難しい視覚効果への対応が行なわれるなど、AIモデルを更新。これにより、より高い解像感、より良いアンチエイリアス、より少ないゴースト、時間に対して高い安定性が得られるようになった。
リリースでは「龍が如く 維新! 極」がデモとして用いられているのだが、簾のようなオブジェクトにおいて、ちらつき、モアレなどが、XeSS 1.3では大きく低減されていることが分かる。
品質向上により、解像度スケーリングのオプションが刷新。具体的には、ネイティブ解像度のままアンチエイリアシングとしてXeSSを使う「Native Anti-Aliasing」が追加されたほか、スケーリング倍率が全体的に1段階引き上げられ、同じ設定では従来の1レベル下に相当する低いネイティブレンダリング解像度となった。
プリセット | 旧XeSSにおけるスケーリング | XeSS 1.3におけるスケーリング |
---|---|---|
Native Anti-Aliasing | 用意なし | 1.0倍(ネイティブ解像度) |
Ultra Quality Plus | 用意なし | 1.3倍 |
Ultra Quality | 1.3倍 | 1.5倍 |
Quality | 1.5倍 | 1.7倍 |
Balanced | 1.7倍 | 2.0倍 |
Performance | 2.0倍 | 2.3倍 |
Ultra Performance | 用意なし | 3.0倍 |
たとえば従来のXeSSの「Balanced」は解像度スケーリングが1.7倍だったが、XeSS 1.3では2倍となり、1.7倍は「Quality」という扱いになっている。
同社の計測によれば、ディスクリートGPU「Intel Arc A750」においてXeSS 1.3のPerformance設定を使用した場合、従来の1.1または1.2の同じPerformanceと比較するとフレームレートが平均10%向上するとしており、「Diablo IV」など一部のケースでは最大28%と大幅に性能が向上したという。
XeSSが使えるCore Ultraの内蔵Arc GPUでもこの機能は効率的に動作し、平均8%高いFPSで動作したという。1080p/Medium画質設定の「ウィッチャー3」の場合、ネイティブ解像度のレンダリングとして2倍近いフレームレート(25fps→51fps)を実現できるとしている。
XeSS 1.3のSDKは4日よりGitHubにて配布している。