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Core Ultra搭載Acerの次世代薄型ノートが早速公開

Intel CEO パット・ゲルシンガー氏(左)とAcer COO ジュリー・カオ氏(右)

 米カリフォルニア州サンノゼ市にあるサンノゼ・コンベンションセンターで開催している「Intel Innovation 2023」の基調講演に、Acer COOのジェリー・カオ氏が登壇し、Intelが12月14日に正式発表する予定の「インテルCore Ultraプロセッサ」(以下Core Ultra)を搭載したノートPCとなる「Acer Swift」の次期モデルを公開した。

 通例から言えば、正式発表となる12月14日以降に、OEMメーカーは自社製品を正式に発表して出荷することが可能になる。カオ氏は「Core Ultraの最大の特徴はAIに対応していることだ。我々自身のAIアプリケーションを開発して搭載していく」と述べ、独自開発のAIアプリケーションを搭載していくという方針を明らかにした。

Core Ultraを搭載した「次世代Swift」が公開

AI PC向けのSoCとなるCore Ultraは12月14日に正式発表予定

 今回のInnovationで、Intelは「AI PC」という言葉を盛んに多用している。AI PCというのは、「AIの推論処理をローカルで行なうPC」という意味で、Core UltraからAI推論処理をCPUやGPUよりも速く、かつ低消費電力で行なえるエンジンを搭載しているためだ。

 Core UltraではNPUを搭載することで、従来はクラウドでやっていたAIの処理をPCローカルで行なうことが可能になり、データセキュリティの観点からクラウドにはデータを上げていないPCの使い方をしている人や企業でも、LLM(大規模言語モデル)などを活用して生産性を向上させることが可能になり、また、クラウドへのアクセスが発生しないので、ネットワーク帯域への圧迫が減り、データが行ったり来たりするのを待つ待ち時間がなくなるなどのメリットがある。

 そうしたAI PCのためのSoCとしてCore Ultraを紹介したIntel CEO パット・ゲルシンガー氏は、そのCore Ultra搭載PCを公開する最初のOEMメーカーとしてAcerを紹介し、Acer COO ジェリー・カオ氏をステージによび、AcerのCore Ultra搭載薄型ノートPC「次世代Swift」を紹介した。

Acer Swiftをゲルシンガー氏に渡すAcer カオ氏
Core Ultra搭載Acer Swift

 カオ氏とゲルシンガー氏はひとしきりその薄さを強調したあと、Core Ultra最大の特徴は「AI対応」だと話し、次世代SwiftでStable Diffusionを利用して、画像を生成するデモを行なった。そしてその生成した画像を、すぐに壁紙として使うという利用シーンを見せて、AI PCにより新しい使い方が可能になることをアピールした。

Acer SwiftとStable Diffusionを利用して画像生成をdGPUなしで行なうデモ

 そしてカオ氏は「Acerは現在Intelと協力してユーザーがAIのメリットを享受できるよう、IntelのOpenVINO toolkitを利用して、AIアプリケーションの開発を行なっている」と述べ、それをAcerのPCに搭載して提供していくと説明した。