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「Core Ultra」と「第5世代Xeon SP」は12月14日に正式発表

Intelが12月14日に発表するCore Ultra

 Intelは、9月19日(現地時間)よりアメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼ市にあるサンノゼ・コンベンションセンターで、同社の年次イベント「Intel Innovation 2023」を開催する。Intelはその開幕に先だって報道発表を行ない、Innovation 2023で発表する予定の内容と、同社がCore Ultraとして年内に発表する予定の「Meteor Lake」の技術概要を明らかにした(Meteor Lakeの技術概要に関してはほかの記事をご参照いただきたい)。

 この中でIntelは、9月19日午前8時30分(現地時間、日本時間9月20日 午前0時30分)より、同社 CEO パット・ゲルシンガー氏が行なっている基調講演で発表する内容などを明らかにした。それによれば、IntelはInnovation 2023の基調講演の中で、チップレットの業界標準を実現するUCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)の仕様を採用した世界初のマルチ・チップレット・パッケージを公開する予定。

 また、同社が年内に発表すると既にアナウンスしてきたクライアントPC向けのMeteor Lake、サーバー向けのEmerald Rapidsを、それぞれ「インテルCore Ultraプロセッサー」、「第5世代インテルXeonスケーラブル・プロセッサー」として12月14日に正式に発表する計画であることを明らかにした。

ゲルシンガーCEOはプロセスノードやパッケージの、ロードマップの着実な実行をアピール、UCIe対応パッケージのデモも予定

Intelの意欲的なプロセスノードロードマップ。5ノードの第2段階までクリア

 Intelによれば、基調講演の中で同社 CEO パット・ゲルシンガー氏は、同社が掲げてきた4年間で5ノードという意欲的なプロセスノードのロードマップが、予定通り進んでいることをアピールする。

 4年間で5ノードの計画は、Intel 4で製造されるMeteor Lakeのコンピュートタイルが既に量産出荷ができる状態になっており、製造開始から量産のフェーズに入りつつある。

 今後は、Intel 4の改良版となるIntel 3が今年(2023年)の末までに製造開始し、来年(2024年)の前半には完全に新世代になり、「RibbonFET」や「PowerVia」などの新技術を採用するIntel 20A、そして来年後半にはその改良版となるIntel 18Aの製造を開始すると明らかにしている。その予定が予定通り進んでいることが今回のInnovation 2023でも説明される。

 そして、そうしたプロセスノードの計画と同時に、Intelはパッケージング技術の加速も高らかに宣言する。チップレットの本格導入ではAMDに遅れをとったIntelだが、3Dチップレットのメインストリーム製品(Meteor Lake)への導入ではAMDに先行することに成功したIntelとしては、これまでの遅れを取り戻し、逆にリードしたい意向があると見られている。

 それを象徴するのが、今回Innovation 2023で行なわれるUCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)の仕様を採用した世界初のマルチ・チップレット・パッケージのデモだ。

 チップレットのオープン規格であるUCIeに対応することで、IntelはIntel自身のチップレット(Intel的な言い方であればタイル)だけでなく、他社のチップをチップレット上で混載することが容易に可能になる。その逆にIntel自身のIPを他社の製品に組み込むことも容易になり、新しいビジネスチャンスが広がるものと考えられる。

 Intelによれば今回デモされるUCIeに対応したマルチ・チップレット・パッケージには、Intel 3、TSMCのN3Eで製造されたSynopsysのチップがパッケージ上で1つに統合されており、TSMC、Synopsys、IFS(Intel Foundry Services)の3社が協力して作り上げたパッケージだという。

 Intelは2024年に投入を計画しているMeteor Lakeの後継となるArrow Lake、ないしはそれ以降の製品でUCIeに対応することを計画していると、既に明らかにしており、今後そうした計画を加速していくものと見られている。

Emerald Rapidsこと第5世代Xeon SPは、12月14日に正式発表予定

 ゲルシンガー氏は、同社のデータセンター向けCPUのXeonに関してもアップデートを行なう。これまでEmerald Rapidsの開発コードネームで知られてきた製品は、12月14日に第5世代インテルXeon スケーラブル・プロセッサー(以下、第5世代Xeon SP)の製品名で正式に発表される予定であることを明らかにされた。

 第5世代Xeon SPは、Intel 7で製造される製品で、第4世代インテルXeon スケーラブル・プロセッサー(以下第4世代Xeon SP)の後継として投入される。第4世代Xeon SPと比較すると性能向上とメモリ速度の向上などが特徴になる。また、Intelは来年にPコアベースのGranite RapidsとEコアベースのSierra Forestのリリースを計画している。

 今回のInnovationで、IntelはSierra Forestが第4世代Xeon SPと比較して2.4倍の電力あたりの性能と最大で288コアの製品が用意されていることなどが明らかにされる。また、Granite Rapidsに関しても第4世代Xeon SPと比較してAIの性能が2~3倍になることなどが明らかにされる。

Meteor Lakeは予定通りCore Ultraのブランド名で12月14日に正式発表予定

Meteor Lakeの概要

 そして、Meteor Lakeの開発コードネームで開発されて来た次世代クライアントPC向け製品は、既にブランドが「Core Ultra」になることが発表されてきたが、今回「インテルCore Ultraプロセッサ」(以下Core Ultra)として12月14日に正式に発表されることが明らかにされた。

 これで発表日も確定し、今後はOEMメーカーなどがそれに合わせて製品を準備する段階に入ることになる。多くのPCメーカーは年初にラスベガスで行なわれるCESのタイミングで製品を発表することが多く、多くの製品は年初になると考えられるが、早いメーカーは年内に製品を発表して出荷する可能性もあると言えるだろう。