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Huawei新スマホ「Mate 60 Pro」は中国製7nmプロセスのチップ。TechInsights分析

 半導体分析専業のTechInsightsは、カナダのオタワ研究所でHuaweiが中国国内で発売したスマートフォン「Mate 60 Pro」に搭載されているプロセッサ「Kirin 9000s」を分析したところ、中国のファウンドリSMICで製造された7nmプロセス(N+2)を採用していることが分かったという。

 米国は、中国に対して14nm以下の最先端プロセス技術を採用した半導体の輸出を規制しているが、7nmが中国国内で製造され量産されたものともなれば、中国にとって大きなマイルストーンになると指摘している。

 Kirin 9000sのダイサイズは107平方mmで、既存の「Kirin 9000」の105平方mmより2%大きかった。ダイ上のさまざまな機能を分析したところSMIC製造であると分かった。

 初期の分析では、14nmプロセスよりも先進的だと分かったのだが、5nmプロセスよりも大きな臨界寸法が示されたという。そこでロジックゲートピッチ、フィンピッチ、バックエンドオブラインメタライゼーションピッチといった限界寸法を追加測定した結果、7nmであると結論したという。

 TechInsightsは「MinerVA7 Bitconin Miner ASIC」を2022年に分析し、中国で初めてSMICの7nmプロセスに基づく半導体が出回ったことを確認したが、歩留まりが悪く生産量が少なかった。今回のMate 60 Proに採用されたKirin 9000sでは、この歩留まり問題が解消され、初めて組み込みSRAMをサポートする先進的なプロセスを採用した、初の商用利用であるとしている。

 こうした結果は中国の半導体製造技術力の回復と向上を示す一方で、「おそらく現在よりもさらに厳しい制裁が課される可能性がある」ともしている。