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WQHDに最適なRadeon RX 7800 XTと7700 XT発表。フレーム補間で性能爆上げの「Fluid Motion Frames」も

Radeon RX 7800 XT

 米AMDは、2,560×1,440ドット(WQHD)の解像度におけるゲームプレイに最適なGPU「Radeon RX 7800 XT」および「Radeon RX 7700 XT」を発表した。価格はGamescom 2023で発表される予定で、記事執筆時点では不明。

 ゲームプラットフォームのSteamの調査によれば、WQHD解像度モニターは年間44%の成長率でシェアが拡大しているとしており、その一方でGeForce RTX 2070 SUPERやRadeon RX 5700 XTといった旧世代GPUでは、WQHDで最新ゲームを最高画質設定でプレイしようとすると60fpsに満たない。

 そのため、Radeon RX 7800 XT/7700 XTはこの解像度をターゲットに開発された。いずれも最新のRDNA 3アーキテクチャに基づき、Infinity Cacheをチップレットとして搭載することで性能を向上させている。先述の旧GPUから置き換えれば60fps超のゲーム性能を達成できるとする。

WQHD解像度のモニターの増加
WQHD解像度で最新ゲームを最高画質で堪能できる

 Radeon RX 7800 XTのCU数は60基、AIアクセラレータ数は120基、ゲームクロックは2,124MHz、Boostクロックは2,430MHz、Infinity Cacheは64MBといった仕様。メモリは16GBのGDDR6で、バス幅は256bit、速度は19.5Gbps。ボード消費電力は263W。

 一方Radeon RX 7700 XTのCU数は54基、AIアクセラレータ数は108基、ゲームクロックは2,171MHz、Boostクロックは2,544MHz、Infinity Cacheは48MBといった仕様。メモリは12BGのGDDR6で、バス幅は192bit、速度は18Gbps。ボード消費電力は245W。

 競合はそれぞれGeForce RTX 4070と、GeForce RTX 4060 Tiで、多くのタイトルでそれらを超える性能を実現するとしている。

ボードの仕様
競合と比較しての優位性
Radeon RX 7800 XTはGeForce RTX 4070よりも高速
Radeon RX 7700 XTはRadeon RX 4060 Tiよりも高速

DLSS 3相当のフレーム補間技術でフレームレートを大幅に引き上げ

 新製品と同時に、「AMD Fluid Motion Frames」と呼ばれる技術に基づくフレーム補間技術も発表された。ゲームへの実装は「FidelityFX Super Resolution 3」(FSR 3)、ドライバへの実装は「AMD Fluid Motion Frames for AMD HYPR-RX」として実現する。

 FSR 3は、言わばNVIDIAの「DLSS 3」に相当する技術で、フレームとフレームの間の画像を生成することでフレームレートを引き上げ画像をなめらかにするという。同社によれば、既存の超解像によるアップスケーリングやアンチラグ技術を組み合わせることで性能が3倍以上にできるほか、超解像ではなくネイティブAAモードと組み合わせれば画質を維持しつつフレームレートを引き上げられる。

 FSR 3はDLSS 3のように「特定GPUだけが利用可能」ではなく、競合を含めてほとんどのGPUで対応可能なのが特徴。実装は「Immortals of Aveum」および「FORSPOKEN」の2タイトルから開始し、今後は「Cyberpunk 2007」や「龍が如く」といったタイトルでも実装していく予定があり、多くのゲームスタジオもサポートを表明している。

FSR 3によるフレームレート向上
今後FSR 3をサポートするタイトル
FSR 3サポートを表明しているゲームスタジオ

 とは言えFSR 3はゲームスタジオ側の対応が必要となり、既存の多くのタイトルではこの技術のメリットを享受できない。そこでRadeonのドライバにAMD Fluid Motion Frames for AMD HYPR-RXを用意し、DirectX 11/12以降の数千タイトルでこのフレーム補間を利用可能にする予定だという。対応GPUはRadeon RX 5000シリーズ以降となっており、こちらも裾野が広い(ただ、当然GeForceやIntel Arcでは利用できない)。

AMD Fluid Motion Frames for AMD HYPR-RXでゲーム性能を向上

 ちなみに「Fluid Motion」という機能は、Radeon HD 7000シリーズ以降の「GCNアーキテクチャ」のGPUで利用できていた、動画のフレーム補間技術の機能だったが、RDNAアーキテクチャでは削除された。これがゲーム向けのフレーム補間技術として復活を遂げた格好だ。

 ちなみに、そもそも「HYPR-RX」とは何か? ということだが、これは既存の「Radeon Boost」、「Radeon Anti-Lag+」、「Radeon Super Resolution」をセットでオン/オフする機能のことで、ユーザーはドライバ内のトグル1つでゲーム性能を引き上げることができるようになる。

HYPR-RXとは
HYPR-RXの効果