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AMD、最速のゲーミングノート向けCPU「Ryzen 9 7945HX3D」。3D V-Cacheは低電力こそ活きる

Ryzen 9 7945HX3Dの主な仕様

 AMDは27日、中国で開催されるゲームイベントChina Joyに合わせ、世界最速となるゲーミングノート向けCPU「Ryzen 9 7945HX3D」を発表した。初搭載されるノートPCはASUSの「ROG Strix SCAR 17 X3D」という製品で、8月22日発売を予定している。

 デスクトップ向けのRyzen 9 7950X3Dをほぼそのままモバイル向けにした製品で、CPUダイ(CCD)の上にL3キャッシュダイを載せる3次元実装によりL2/L3合計144MBの大容量キャッシュを達成。ノートPCにおいて高リフレッシュレートのゲームプレイを実現する。

 高リフレッシュレート環境下では1フレームの描画時間が短いため、CPU→メモリ間の転送遅延がクリティカルになると言い、大容量キャッシュの効果が現れやすい。

3D V-Cacheをモバイルプロセッサに初めて導入
3D V-Cacheのスタック技術

 モバイルのような低電力が求められるシーンでは、その効果がより顕著になり、40W TDP設定となっている場合、3D V-Cacheがない既存のRyzen 9 7945HXと比較して23%もの性能向上(Tomb Raiderの例)が見られ、平均で15%以上高速としている。

3D V-Cacheの効果は低電力設定で活きる
Ryzen 9 7945HXと比較して15%以上高速だという

 ちなみに3D V-CacheとCCDの接続はTSV(Through Silicon Vias)技術と銅ボンディングを用いた“ハイブリッドボンド3D”となっており、9μのバンプピッチを実現。インターコネクト密度は2Dチップレットと比較すると200倍以上、マイクロバンプと比較すると15倍以上となり、エネルギー効率もマイクロバンプの3倍以上としている。

ほかのチップレットと比較して高密度なハイブリッドボンド3D技術を採用
ハイブリッドボンディング技術

 そのほかの仕様については、コアマイクロアーキテクチャがZen 4、コア数が16基、スレッド数が32、最大動作クロックは5.4GHz、TDPは55W以上としている。

ROG Strix SCAR 17 X3D