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ほぼ米国製スマホ「Liberty Phone」。Debian派生OS採用

 米Purismは6月30日(現地時間)、ほぼ米国で製造されたスマートフォン「Liberty Phone」を発表した。価格は2,199ドルから。

 公開されたパーツリストによれば、メインボードや組み立て/パッケージングを含むほぼすべての製造が米国内にあるPurismの施設で行なわれているという製品。唯一筐体(ケース)が中国製。モデムやWi-Fi/Bluetoothはモジュール式で、前者は米国/中国/EU製、後者はインドといった地域製のものを選択可能。

 ただ大規模集積回路(つまり半導体)は例外で、たとえばプロセッサは韓国で製造されたNXP製の「i.MX 8M」(Cortex-A53/1.5GHz×4、Vivante GC7000Lite GPU内蔵)となっている。これに関して同社は「フリーソフトウェアで駆動される検証済みのハードウェアの場合、チップの原産国は基板製造国ほど重要ではない」と説明している。

 その一方で、サプライチェーンのおけるセキュリティ対策についても謳われており、改ざん防止ファームウェア「PureBoot Bundle」の利用と、米国製基板の採用で確保するとしている。

 また、OSにおいてもセキュリティを念頭に開発/設計されており、デフォルトでトラッカー無効、プライバシー保護、追跡なし、多層セキュリティ保護、ユーザー制御のソースコード、GNU+Linuxの実行、セルラーベースバンドからCPUの分離、IPネイティブ通信優先、分散型通信の採用などが謳われている。

 OSはDebian Busterから派生した「PureOS」で、シェルをGNOMEからlibhandyと呼ばれる5型タッチ画面に最適化したUIを搭載したものに置き換えている。このためパッケージはデスクトップと共通で、aptおよびdpkgを介してインストール/更新される。購入後、デバイスの耐用期間中は継続したセキュリティアップデート、プライバシー改善、バグ修正、新機能の提供をし続けるとしている。

 アプリに関してはHTML5アプリが実行可能で、Webブラウザから利用することになるが、サンドボックス化してOSから分離する予定があるとしている。

 プロセッサ以外の仕様は、メモリが4GB、ストレージが128GB eMMC、ディスプレイが720×1,440ドット表示対応5.7型IPS。インターフェイスはmicroSDカードスロット、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.3、USB 3.0 Type-C(USB PD/DP Altモード対応)、1,300万画素背面/800万画素前面カメラ、GPS、3.5mmミニジャックなどを搭載する。