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スマートホーム規格「Matter」対応でAlexaの使い勝手はどう変わる?

スマートホーム規格「Matter」

 Amazonは4日、Amazon Alexaやスマートホーム、およびスマートホーム規格「Matter」に関して報道者向けの説明会を実施した。

 Matterは、CSA(Connectivity Standards Alliance)が2022年10月に策定したスマートホームの接続規格。スマートホームデバイス、スマートホームシステム、音声アシスタントの相互接続を目指して開発された標準規格で、AlexaではMatterを用いて、Wi-FiやThreadで接続された、対応する電球やプラグ、スイッチ、センサーなどのセットアップや操作が可能となる。

赤外線対応のハブ製品が、近日中にMatter対応となるという

 説明会では、Alexaで順次導入されているMatter関連の機能として、「Matter Simple Setup(MSS)」、「コミッショナブルエンドポイント」、「Ambient Home Dev Kit」の3つが紹介された。

 Matter Simple Setupは、デバイスのネットワーク接続やセットアップの手順を簡単にする同社の拡張機能「フラストレーションフリーセットアップ(FFS)」のMatter対応版。本機能を使うことでMatterデバイスのセットアップ時に、製品に記載されたバーコードの読み込みやパスコードの手入力といった作業を省略できる。

Matter Simple Setup(MSS)について

 コミッショナブルエンドポイントは、APIとして提供されるもので、Alexaに与えた指示は通常であればクラウドを経由してデバイスへと届けられるが、本機能を利用するとMatterネットワーク上でのローカルコントロールが可能となり、指示が直接デバイスに届くようになる。本機能のメリットは、クラウドを経由しないためレイテンシが低く、クラウドに問題が発生しても音声操作などが可能である点となる。

コミッショナブルエンドポイントについて

 Ambient Home Dev Kitは、Matterを使いやすくするための開発者向けのAPI群。たとえば、Alexaとサードパーティ製アプリ間でデバイス情報やグループ情報の同期が可能なAPIなどが実装予定となっている。

Ambient Home Dev Kitについて

 また、説明会では、同社のパートナー企業であるNature株式会社から、代表取締役の塩出晴海氏が登壇。Matter対応製品「Nature Remo nano」を紹介した。

Nature株式会社 代表取締役 塩出晴海氏

 Nature Remo nanoは、Natureが本日発売した新製品で、Matterに直接通信できない赤外線リモコン対応家電をMatterと接続させることが可能な、世界初のブリッジデバイス。近日中にMSSによるセットアップの簡素化が対応予定であり、Amazonから購入するとAlexaが自動でWi-FiやMatterのセットアップを行ない、ユーザーはNatureのアプリに家電を登録するだけで音声操作などが可能になるという。

Nature Remo nano

 説明会では、そのほかにもスマートデバイスの展示のほか、Matterによるスマートホームのデモとして、電源プラグをMatter経由でAlexaに接続する実演や、Nature Remo nanoの操作などが行なわれた。

電源プラグをMatter経由でAlexaと接続するデモ
Nature Remo nano